トックリキワタのワタ

 那覇市新都心公園のトックリキワタが、名前の由来となっているワタをつけ始めた。トックリキワタは南米原産の木であり、ブラジルに移住した同郷者のもとを訪れた沖縄県民が持ち帰ったといわれ、今では沖縄の代表的な街路樹の一つになっている。

 多様な生物が激しい生存競争を繰り広げる熱帯では、ユニークな動植物が多いが、このトックリキワタも独特の雰囲気を放つ。徳利のように幹の部分が膨れ、表皮には棘が突き出る独特の外観だが、秋にはピンク色の鮮やかな花が多数咲く。その後は大きなアボガドのような実がつく。春先には実が割れてワタのかたまりのような物体が顔を見せる。見慣れない人から「不気味」の声が漏れるが、ワタは子孫である種を遠くに散らばせるための進化であろう。とにかく気になる木である。(T)

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