祖霊神を重んじる沖縄の精神世界 仲村弥秀著『神と村』①

 沖縄の街中を歩いていると、至るところに神を祀る御嶽が見られる。県外から来た者にとって、これらの御嶽は同じ神が宿るのか、別の神が宿るのか、どんな神が宿るのか、まったく想像もつかない。長年沖縄の民俗学を研究した仲村弥秀氏の同書によれば、沖縄には多様な能力を備えたさまざまな神々が存在するが、地元の人々が最も信頼し敬っているのが祖霊神という。簡単にいえば亡くなったご先祖さまである。だから、信仰を捧げた結果がどれほど自分たちに厳しいものであったとしても、血のつながりがあるから、すべて受け入れ祀り続けざるを得ないとしている。

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