再建中の首里城を歩く
正殿など中心部の有料区域が6月12日から一般公開となった首里城に行ってみた。有料区域に入ると、通路の周りには焼け残った資材が並べられているのも、再建する過程も観光の材料にするためだろう。今回の一般公開で目玉になっているのは正殿の基壇(建物の土台)。周りには、巨大な保存ケースのようなプレハブ小屋が建てられ、サッシュのガラス越しに見ることになるが、火災前の正殿では床に張られたガラス越しに、薄暗い光の中にほんの一部が浮かび上がったのに比べると、写真のようにはっきり確認できる。しかも、向かって右側が第一尚氏時代の基壇で、左側が第二尚氏時代の基壇であり、時代とともに何度も建て替えられたことがうかがわれる。
正殿跡を過ぎると、女官が取り仕切った御内原の区域に入る。延焼を免れた世誇殿の横を通り石段を上っていくと、首里城壁の東端「東のアザナ」にたどり着く。城内最高峰にあたり、天候がよければ沖縄本島中南部を一望できる。何となく首里城の火災を聞き、初めて県外から訪れた人はこれで満足できるかもしれないが、県内在住者ら関心の高い人にとってはやや物足りなさが残るのではないだろうか。例えば、解説板ではさらりと、正殿では少なくとも「4回の焼失」と「7回の建て替え」があったとだけ書かれているが、そこにはどのような理由や原因があったのか気になるところ。昨年の火災をどのように位置づけ、どのような形で再建していくか関心を持つのが自然なはずだ。