このページでは、沖本屋古書部門の商品のうち、「沖縄の社会・歴史」に関する本をテーマごとに以下の順でまとめ紹介しています。各テーマの中では基本的に、発刊の年が古い順に並べ、下に行くほど発刊年は新しくなります。
・沖縄通史・評論
・古代史
・琉球王国時代
・近代史
・沖縄戦史
・地域史
・戦後史
・産業
・女性
・人物
古書販売部責任者 ヨギ ユタカ
沖縄県公安委員会古物商許可
第971010000246号
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<沖縄通史・評論>
琉球の研究
8,000円
加藤三吾著
文一路社
昭和16年
状態:背表紙に大小5つの虫食い穴、天地小口にヤケとシミ、函ナシ
沖縄女性史
2,000円
宮城栄昌著
沖縄タイムス
1967年初版
状態:天地小口にシミとヤケ、シールの剥がし跡
蠧魚庵漫章
1,800円
比嘉春潮著
勁草書房
1971年
状態:小口少シミ
【評】本書の題名について著者はまえがきで説明している。「蠧魚(とぎょ)」とは「やたらに本を読むばかりでこれを活用しない」であり、「漫章」とは「思いつくままに筆にする」である。確かに「説話にあらわれた猿」「沖縄の囲碁の歴史」「沖縄の貨幣」を論じたかと思えば、『御三代伊江親方日々記』『琉球古来の数学』『薩藩財政研究資料』『琉球戯曲辞典』などの著作も取り上げる。まさに筆は自由闊達、著者の関心は留まるところを知らない。(T)
南島史論 富村真演教授還暦記念論文集
1,000円
琉球大学史学会
1972年
状態 : 天と小口にヤケとシミ
琉球歴史物語
2,000円
新屋敷幸繁著
月刊沖縄社
1976年
状態 : 背ヤケシミ、天ヤケシミ
【評】新屋敷幸繫著『琉球歴史物語』は、「サンデーおきなわ」に掲載された連載記事135本をまとめている。一つのテーマが見開きに収められ、記事は一般の人でも気軽に読めるコラム風に書かれている。歴史関係の論文ではないが、テーマは日本の奈良時代に相当する時期から、尚巴志による三山統一、第2尚氏の始まり、中国や日本との交流、琉球王国の終焉まで幅広く、琉球の歴史を概観できる。
興味深い数々のエピソードが織り込まれているが、中でも目をひくのが琉球王国の財政状況を示唆する数字だ。「琉球処分」のために乗り込んできた明治政府の役人が調べところによれば、当時の王国は農民10万人が士族6万人を養っていた計算になる。加えて、東京に15人、大阪に25人、鹿児島に100人ほどが勤務するなど役所を維持するにも相当の費用がかかり、農民の負担は相当重かったとみられる。(T)
沖縄県史物語
1,000円
新屋敷幸繁著
月刊沖縄社
1977年
状態 : 背、表紙にヤケ・シミ・少破れ
沖縄歴史論序説
3,000円
高良倉吉著
三一書房
1980年
状態 : 函少汚れ
沖縄文化史辞典
3,000円
東京堂出版
真栄田義見・三隅治雄・源武雄著
昭和47年
状態:函ヤケ、シミ、汚れ 本体シミ
沖縄農民史
2,000円
饒平名浩太郎著
沖縄文教出版
昭和48年
状態:表紙小イタミ、シミ、ヤケ
沖縄文化史
2,000円
阿波根朝松著
沖縄タイムス社
昭和50年
状態:函汚れ、カバー・本体スレ、シミ
【評】歌謡、舞踊、音楽、劇と劇文学、染織、陶芸、漆芸、建築の8分野に分けて沖縄文化を論じている。
沖縄歴史物語
1,800円
勁草書房
山里永吉著
1982年
状態:ビニールカバー、本体に小シミ
与勝離島の混血たち ー実業人の観た琉球歴史
1,600円
親川光繁著
沖縄三越
昭和59年
状態 : 天小口表紙にヤケ、シミ、スレ
沖縄を考える 大田昌秀教授退官記念論文集
1,800円
大田昌秀先生退官記念事業会
1990年
状態 : 天、小口にシミ
東アジア経済圏における九州・沖縄
1,000円
J・クライナー、清成忠男、矢田俊文編
ひるぎ社
1995年
状態:天に少シミ、裏表紙に少キズ
新しい琉球史像 安良城盛昭先生追悼論集
3,000円
高良倉吉・豊見山和行・真栄平房昭編
榕樹社
1996年
状態 : 良好
【評】本書に寄せられた論文のテーマは多岐に及ぶ。「大型グスク出現前夜=石鍋流通期の琉球列島」「豊臣政権の朝鮮出兵と琉明関係」「日本国王と琉球国司」「煙草をめぐる琉球社会史」「組踊と中国演劇」など、琉球史の多面性を物語っているようだ。どのテーマに関心を持つかは人によって異なるだろうが、私個人としては高良倉吉氏の論文「近世琉球における都市の論理」が気にかかる。
それによれば、1609年の薩摩侵攻以前、首都の首里でさえ人口6000人ほどであり、琉球には都市と呼べるような人口集積を持たなかった。私たちがイメージする国家とはだいぶ違っていたようだ。薩摩侵攻から100年ほど経過して首里が約2万900人、那覇が7900人に成長し、人口全体の約2割が都市に住むようになったとみられる(数字はすべて推計値)。
都市の発生は、新たな職業・産業、文化や生活スタイルを生んだはずだが、論文の中で高良氏はこうした分野での研究がまだ十分でないと指摘する。専門家の間でどのような成果が発表されているか分からないが、都市の発展と生活・文化の変化は現代にも通じるテーマであり、もしも何らかの成果があるのならば、我々素人にも分かるように嚙み砕いて説明してもらいたいところである。(T)
琉球・沖縄史研究序説
3,000円
山下重一著
御茶の水書房
1999年
状態 : カバーシミ、スレ
【評】琉球王国時代末期、欧米諸国との接触に始まり、王国内や薩摩藩内の勢力争いが絡んだ牧志・恩河事件、王国が日本に併合される琉球処分、民衆が旧体制に挑んだ宮古島人頭税廃止請願運動まで、本書は近現代の沖縄が形成される重要局面に光を当てている。中でも興味を引かれるのは、琉球処分からまもない時期に、中国国内で通商上の利権を得ることと引き換えに、先島(宮古・八重山諸島)を中国に譲り渡す条約交渉を明治政府が進めていた点である。
著者は第2部第2章「改約分島交渉と井上毅」の結語で、「井上毅が(中略)実質的に中心になって準備した改約分島交渉に臨ませた経緯は、彼が冷静で合理的な官僚であったと同時に、一旦決断された政策の遂行については、強引な権力的行動も辞さない峻厳かつ巧妙な政治力の持主であったことを示している」「改約分島交渉は、民族統一を謳った琉球処分の直後に断交されようとした民族分断の政策に基づく」としている。
こうした中央政府の政策は偶然生まれたとは言えまい。太平洋戦争末期、敗色が濃いにもかかわらず、終戦交渉の駆け引きや、本土決戦の時間稼ぎを念頭に、20万人の犠牲者を生んだ沖縄戦へ突入。また、サンフランシスコ講和条約では、本土の独立と引き換えに沖縄を米国の手に委ねた。「国益」の名のもとに沖縄が犠牲を強いられる構図はその後も続く。(T)
第9回アジア史学会研究大会 アジアの中の沖縄
1,000円
アジア史学会
2000年
状態 : 良好
ジュニア版 琉球・沖縄史 沖縄を知るための歴史教科書
1,200円
新城俊昭著
編集工房 東洋企画
2008年
状態:良
【評】最も沖縄らしい本といえば、この『ジュニア版 琉球沖縄史』ではないか。歴史書の分類に入るが、専門書のような堅苦しさはない。「ジュニア版」とタイトルにあるように、中高生が読める文章である。どの県でも地方史をまとめた本はあるだろうが、気軽に読める内容のものはほとんどないだろうと思う。
オールカラーで写真、表や地図がふんだんに使われているため、視覚的にもわかりやすく飽きずに眺められる。しかも、総ページ数は360余りあり、沖縄の歴史を広い範囲で解説している。コンパクトに項目ごとにまとめられているので、気になるところだけ拾い読むこともできる。県外の方にとっても沖縄の歴史入門書として最適だろう。(T)
<古代史>
南島先史時代の研究 考古民俗叢書(10)
3,000円
国分直一著
慶友社
昭和47年
状態 : シミ、ヨゴレ、地に所有印
日本の古代遺跡47 沖縄
1,200円
嵩元政秀 安里嗣淳 共著
保育社
1993年
状態:良
<琉球王国時代>
バズィル・ホール 大琉球航海記
8,000円
琉球新報社
1955年再販
状態:函背ヤケ・少破れ、シミ
尚円王一代記
2,000円
石川文一著
琉球文庫
1962年
状態 : 表紙裏ともにシミ多数
首里城内の女たち
3,000円
山里永吉著
沖縄文教出版
昭和47年 初版
状態:函少キズ、シミ カバーヤケ、シミ、所有印
沖縄の英学
1,000円
研究社
亀川正東著
昭和47年
状態:表紙ヤケ、本体シミ、汚れ
沖縄の城跡
3,500円
新城徳祐著
緑と生活社
昭和57年
状態:函シミ・シワ、天・小口に少シミ
球陽論叢
8,000円
論集刊行委員会
ひるぎ社
1986年
状態: 函 シミ・キズ 、天 小口に少シミ
ああ北山王国ー南走平家の裔たちー
1,600円
親川光繁
金秀本社
昭和61年
状態 : 天に少シミ
琉球王国史の課題
1,800円
高良倉吉著
ひるぎ社
1989年
状態 : 天に少シミ、ヤケ、カバー少折れ
ジョン万次郎物語
1,000円
長田亮一著
ジョン万次郎を語る会
平成3年
状態 : カバー全体的に擦れ 天地小口にシミ
沖縄の城ものがたり
2,000円
知念勇 当真嗣一 金城正紀 田名真之 共著
むぎ社
1992年
状態:カバー少ヤケ、少スレ
沖縄のグスクめぐり
2,000円
監修 当真嗣一
むぎ社
1996年
状態:良
【評】琉球列島に存在するグスクは200とも300ともいわれる。首里城や座喜味城のように「城」をあてはめ、権力者の館であることが明確な場合もあるが、集落跡や神の居所など諸説が入り混じる場合も少なくない。当真嗣一監修『沖縄のグスクめぐり』は、沖縄本島のほか周辺離島、奄美、宮古、八重山を含め計91のグスクを地図つきで、現地に残る言い伝えや伝説を紹介する。大半のグスクは観光客が訪れることもなく、石垣は崩れ生い茂る草木に埋もれかかるが、それぞれのグスクには多様な運命と歴史が確かに存在していたことを実感できる。(T)
首里城の起源を探る
900円
宮野賢吉著
那覇出版
1998年
状態:良
【評】琉球王国は首里城を中心にして1429年に成立したが、首里城そのものは14世紀にはすでに存在していたらしい。誰がどのような目的で建てたかはっきりしないという。その起源が象徴するように、首里城は分からないことで溢れる。これを嘆くより、想像力を働かせる余地が大きいと見ることもできよう。本書の著者も、歴史的事実を丹念に集めながらも首里城の成り立ちに考察を重ねていく。(T)
図説 琉球王国
800円
高良倉吉、田名真之編
河出書房新社
1999年
状態 : 背、表紙にヤケ
外国人来琉記
1,800円
山口栄鉄著
琉球新報社
2000年
状態:良
最後の琉球王国
1,000円
比嘉朝進著
閣文社
2000年
状態:天小口に少シミ
【評】大国の意向や利益に命運を左右される沖縄の姿は、すでに江戸時代末期には固まっていたのかもしれない。1840年代から外国船が出没するようになり欧米諸国に開国を迫られる。薩摩藩内部の主導権争いや通貨政策の変更によって琉球王国は政治的にも経済的にも混乱し、新たに誕生した明治政府によって日本に併合される。しばらく親日本派と新中国派の対立が続く一方、明治政府は中国に対して、通商上の利益と引き換えに宮古・八重山を引き渡す条約案を合意寸前まで進める。こうした沖縄の激動期を具体的に書き表したのが比嘉朝進著『最後の琉球王国』である。(T)
グスク探訪ガイド 沖縄・奄美の歴史文化遺産(城)
1,200円
名嘉正八郎著
ボーダーインク
2002年
状態:カバーに少キズ
【評】北は奄美諸島から南は八重山諸島まで、琉球列島に点在するグスクについて、遺構調査の結果や伝説・歴史も交え紹介している。本書に目を通し改めて感じるのはグスクの多様性である。首里城や勝連城のように史跡として整備され往時の姿を偲べるところもあれば、小さな石垣だけが残るところもあり、生い茂る草木の陰にほとんど埋もれかかっているところもある。武力や権威を誇示したというより、生活の中の祈りの痕跡のようにも思える。「城」の漢字を使うことが多いが、本土の城と同じ定義でくくれないグスクも目につく。専門家の間でも、宗教施設とする説、軍事拠点とする説、時代とともに役割が変化したとする説などさまざま。同じグスクという言葉をあてはめても、もともと役割が違っていたのかもしれない。あえて共通点を探すとすれば、変化に富んだ島の地形と海が織りなす眺望の場所に設けられることが多く、自然や時間の流れに逆らわない優しさや奥ゆかしさを感じることだろう。(T)
琉球と琉球の人々
800円
原著:G・スミス
訳:山口栄鉄 新川右好
沖縄タイムス社
2003年
状態:並
【評】英国国教会香港管区主教のジョージ・スミスが1950年、英船レイナード号で琉球を訪れた際、直接見聞きした体験や、琉球側から受け取った書簡などが記されているが、住民は異国人とまともに話すことを禁じられ、王府はあの手この手で英国との交流を回避しようとする姿が浮かびあがる。同書に添えられている訳者・山口栄鉄氏の解説によれば、異国との交流によって繁栄の礎を築いてきた琉球の本来のありようではなく、長年琉球を支配し異国との接触を忌み嫌う薩摩藩の指示によるとしている。(T)
太田良博著作集②ほんとの歴史を伝えたい
1,800円
ボーダーインク
2004年
状態:天に少汚れ、他は良
【評】琉球王国は人口十数万程度の時代が長く続いた小国だが、多くの研究者がその歴史の謎に取り組んできた。琉球史には日本との関係では家康や秀吉など数々のビッグネームが関係し、中国や日本といったアジア諸国に始まり、幕末近くになるとペリー将軍が上陸するなど欧米諸国ともかかわり、世界史の流れが深く投影されるダイナミックな展開の一方、沖縄戦などによって多くの記録や文化財が失われたせいもあり解明されていないところが多いのも魅力だろう。
『ほんとうの歴史を伝えたい』の著者・太田良博氏も、そんな琉球・沖縄史に魅せられた。同氏は新聞社や放送局勤務の傍ら研究を続けた成果の一つが本書であり、薩摩藩による支配と明治政府による琉球処分を中心に論じる。沖縄出身者ならば薩摩藩支配のマイナス面を強調しがちだが、プラス面も併記し歴史を客観的に評価しようとする姿勢を保つ。また、名だたる琉球史の研究者にも論拠を挙げながら果敢に挑み、「ほんとうの歴史を伝えたい」という情熱が垣間見られる。(T)
琉球歴史の謎とロマン その三 地域編
800円
亀島靖著
沖縄教販
2004年
状態 : 並
世界遺産 グスク 石垣の魅力・謎
1,500円
城間勇吉著
新星出版
平成17(2005)年
状態 : 小口少汚れ
【評】県土木建築部長などの経歴を持つ専門家の視点から、琉球王国時代に建てられたグスクなどについて、国内外の歴史的な石造建築物と比較しながらその独自性を解説している。建築にまつわる計算式や数字を使いながらも、建築物の写真や図が多用され専門外の人にも馴染みやすい構成になっている。(T)
新 琉球王統史 瞬天/英祖
800円
与並岳生著
新星出版
2006年
状態 : 奥付に所有印
絵で解る 琉球王国 歴史と人物
1,000円
井上秀雄 監修
JCC出版
2012年
状態:良
<近代史>
近代沖縄の歩み 沖縄の百年1
1,000円
太平出版
新里金福・大城立裕著
1972年 本体にシミ
【評】明治100年を記念して琉球新報に掲載された連載記事を加筆・補稿してまとめられた。沖縄にとっての近代100年は、まさに紆余曲折の連蔵だった。
1879年、沖縄は琉球王国が解体され日本の一部になったが、すんなり日本化されたわけではない。長年、政治、経済、文化あらゆる面で、中国と深い関係が続いたことから、日本化を拒む勢力も根強かった。日本政府も沖縄を固有の領土と考えたかどうか怪しい面もあった。翌1980年には、中国における商業活動の権益と引き換えに、宮古・八重山諸島を中国に譲り渡す案に合意し、調印寸前のとこにまで至っていた。
明治期以降、日本化が進むが、沖縄人としてのアイデンティティを模索する動きが出る一方、大正末期から昭和初期にかけて「ソテツ地獄」(ソテツの実や茎しか食べ物がない恐慌状態)に陥る。1945年の沖縄戦では、沖縄本島を中心に「鉄の暴風雨」と呼ばれた米軍の激しい攻撃に見舞われ、県民の4人に1人が命を失う。その後も27年間、異民族支配が続き、島全体が米軍の基地に変貌する。(T)
近代沖縄の人びと 沖縄の百年2
1,000円
太平出版社
新里金福・大城立裕著
1972年 状態:函ヤケ、本体シミ
【評】明治100年を記念して、新里金福と大城立裕の両氏が琉球新報に掲載した連載記事を加筆・補稿してまとめられた。近代沖縄に影響を与えた人物を1人につき2ページから2ページ半程度と、非常にコンパクトにまとめている。人物の紹介の仕方も、特定の思想に偏らず、鉛筆でさっとデッサンするようにあっさりとしたタッチである。
例えば、琉球王国の最後の王となった尚泰については「写真でみる国王時代の尚泰の顔は、いかにも人工的で能面のようにかたい顔である。(中略)自分の意に反して、あれこれいじくりまわされたものの不満が、その能面のような冷たい表情でうずまいているように思える」。国王の地位を退き東京で暮らようになってからは「琉球国王としてすごした長い歳月より、むしろ東京での生活の方が、尚泰にとっては幸せだったように思える。後年の尚泰の写真は、その顔から人工的な硬さを消して、いかにも自然である」とつづる。
また、琉球処分の事実上の執行者であり琉球王国支持者からは悪の手先のようにみなされる松田道之については「口もとに大時代的なヒゲをたくわえているが、いかにも目が澄んでやさしい。彼の経歴をしらべてみると、その目もとのやさしさの秘密が解けるような気がする」と描く。彼の行動についても「琉球処分の強行、松田道之にとって、旧幕打倒と同じく、旧支配勢力排除の一環にすぎなかった。その点、彼の果たした役割は進歩的なものであった。その後、沖縄で中央政府の政策が変質したとしても、それはまた松田道之のあずかり知らぬところである」と同情的である。(T)
写真集 むかし沖縄
1,400円
琉球新報社編
平成4年
状態 : 表紙スレキズ、オビに破れ
宮古島民 台湾遭難事件
1,800円
宮國文雄著
那覇出版社
1998年
状態:カバー少ヤケ、小口少シミ
沖縄救済論集
3,000円
湧上聾人著
昭和44年
状態:函ヤケ、天地小口にヤケ、シミ
昭和の沖縄
800円
琉球新報社会部編
ニライ社
1986年
状態:表紙・本体のヤケ、経年疲れ、背少破れ
【評】 「正月」「商業活動」など47のテーマを設け、それぞれについて戦前の昭和を中心に沖縄の歩みを振り返る。事始めや習俗の移り変わりのように、ほのぼのとしたエピソード集のテーマがある一方、沖縄が苦しんだ差別や貧困を告発する重いテーマもある。
中でも目をひくテーマが「改姓改名」だ。本土に渡った沖縄出身者が名前を変えることがよくあったという。例えば、女性ならば「ウシー」を久子、「カマド」を安子に変更。苗字ならば、宮城をミヤグスクからミヤギへ、金城をカナグスクからキンジョウへと読み替えたり、渡久川を徳川に、仲村渠を仲村に改姓したりした。沖縄独特の名前や苗字から本土で一般的な名前や苗字にすることのよって、差別や偏見の対象になることを避けたい気持ちがあった。
これは沖縄出身者の一方的な思い込みではなく、実体験の裏付けがある。「なにかにつけて、琉球人、琉球人と馬鹿にされた」「沖縄ブタとののしられ、着物が違う、色が黒いなどと軽蔑の言葉を投げつけられた」と証言する人もいたという。本土の紡績工場で働いた沖縄女性の境遇についてまとめた「紡績女工」でも、「“琉球”と余りにばかにされるので1年で逃げた」「差別するので沖縄出身者が集まりハンストを行い、待遇を改善させた」などの声を載せている。
沖縄の貧困に関する項目も少なくない。「商業活動」の項目では、県外出身者である寄留商人が戦前の沖縄経済をにぎり、特に砂糖取引は県当局と結託し、莫大な利益をせしめたと指摘。「ソテツ地獄」の項目は、第1次世界大戦終結後に襲った昭和恐慌で、処理方法を誤れば中毒死するソテツで多くの沖縄の人びとが飢えをしのいだことが紹介している。(T)
<沖縄戦史>
沖縄県史第8巻 沖縄戦通史
6,000円
琉球政府
1971年
状態:函ヤケ・シミ、本体ヤケ・シミ
あゝ学童疎開船対馬丸
1,200円
対馬丸遭難者遺族会
琉球文教図書株式会社
昭和53年
状態 : 表紙少スレ、小口少シミ
血塗られた珊瑚礁 一衛生兵の沖縄戦記
1,800円
関根清
JCA出版
1981年
状態 : カバー帯痛み、スレ
ひめゆり教師の手紙
1,000円
玉代勢秀子著
ニライ社
1988年
状態:カバー少破れ、本体に少ヤケ・シミ
八月十五日の天気図
1,400円
矢崎好夫
国書刊行会
平成10年
状態:並
【評】沖縄戦にまつわる著作は数多いが、本著のように、敵を迎え撃つ現場と作戦を指示する司令部の両面からの体験から書かれたものは珍しいだろう。著者は太平洋戦争末期、海軍気象士官として昭和19年7月、沖縄の小禄基地に赴任し、米軍上陸直前の昭和20年3月、沖縄を離れる。その後は、東京を経て大分や鹿児島の航空基地に経験する。沖縄に侵攻する米軍目がけて飛び立つ特攻攻撃「菊水作戦」の出撃基地だった。
戦争という巨大な歯車がいったん動き始めれば、数多くの無益な犠牲者が出ることがどれだけ明白であろうとも、どれだけ無益な犠牲者が出ようとも止められない。著者が終始一貫、痛感することだ。小禄基地では、戦車や自動小銃、重火器など最新兵器を備えた米軍に対して、担当部隊のまともな武器は小銃しかなく、しかも兵員の半分にも行き渡らない。銃以外で配布できたのは、1人あたり銃弾20発と手榴弾2発のみ。「無策というより無謀に等しいのではないか」と自問自答する。
転勤命令によって小禄を出て東京へ戻ると、海軍省の軍令部作戦室で開かれる会議に参加する。海相や海軍次官ら最高首脳が出席するため、「この会議の決定で、何百名かの人命が左右されるのだから命がけの緊迫した言葉のやりとりがあってしかるべき」と期待したが、幹部が報告を受けるだけのことが多く「会議は静かすぎた。見方によれば疲れきっていたのか、とるべき積極策がないのか、いずれにしても私には期待はずれであった」。
大分や鹿児島の航空基地では気象情報を無視した出撃命令を目の当たりにする。航空機にとって気象情報は欠かせないはず。安全に目的地にたどり着けるか。目的地で十分な成果があげられるか。しかし、詳しい気象情報を収集しようと思えば可能にもかかわらず、ほとんど無視されることが多かった。どしゃぶりの雨の中、何十機もの爆撃機に出撃命令を下し、1機も帰還しなかった。また「特攻機は重装備であり、エンジンの相対馬力は落ちているため、天候不良は非常な天敵であり足かせである」にもかかわらず、沖縄が天候不良の時に特攻機は出撃を重ねた。
現場や専門家の意見を取り入れず、司令部だけの都合や判断だけで推し進めることで、いかに多くの犠牲を生むか恐ろしいほど実感させられる。悪しき日本の伝統は終わっているのだろうか。70年以上前のことであるが、こうした教訓がどれほど現在に生かせているか大いなる疑問が残る(T)。
沖縄戦記 鉄の暴風
1,200円
沖縄タイムス社編
2001年 第10版
状態 : 天に少シミ、他は良好
秘録 沖縄戦記
1,800円
山川泰邦著
新星出版
2006年
状態 : 天地・小口に少シミ
沖縄戦の全女子学徒隊
1,600円
青春を語る会編
フォレスト
2006年
状態:良
【評】 沖縄戦で看護要員として駆り出された女子学生といえば、ひめゆり学徒隊が有名だが、それ以外にも多くの女子学生が戦争に送り込まれている。青春を語る会編『沖縄戦の全女子学徒隊』では、沖縄本島から石垣島まで10の女学校を紹介するとともに、その生徒たちが戦場で何を見て何を感じたかが語られている。彼女たちの大半は、勇ましさを求める男社会と無縁であり、病傷兵たちが次々と送りこまれる野戦病院が職場。人の尊厳や命の軽さを痛感させられる戦争の実態が浮き彫りにされている。(T)
僕の島は戦場だった 封印された沖縄戦の記憶
1,000円
佐野眞一著
集英社
2013年
状態 : 並み
<地域史>
沖縄の孤島
1,000円
朝日新聞社編
昭和44年
状態:ヤケ、表紙スレ
村誌 たらま島 ≪孤島の民俗と歴史≫
3,800円
たらま村
昭和48年
状態: 函ヤケ・キズ、天 小口にシミ・ヨゴレ
【評】村制施行60周年記念事業として、まだ沖縄が本土復帰して間もない1973年に発行された。全525頁からなるが、「第3章 人の一生」「第4章 村の行事」「第5章 神々と祭」「第6章 組踊と古謡」など生活や信仰にかかわる部分が全体の半分近くを占める。中でも「第6章 組踊と古謡」は140頁余りに及ぶ。歴史や文化の学問的な分析というよりは、島の人々の暮らしをまるごと記録し残そうとする意欲の表れかもしれない。
同村ではこの村誌だけでは十分でなかったという思いが強く、村制施行70周年記念事業として、1986年から2005年までにわたり「通史」「芸能」「民俗」などのテーマごとに分けて計6巻の村史を発刊している。このほか同村の出版物では『多良間村村制施行百周年記念誌』『島びとの硝煙記録 多良間村民の戦時・戦後体験記』などがある。(T)
那覇の今と昔を語る 那覇今昔の焦点
2,000円
沖縄文教出版
状態:函小イタミ、印、カバー破れ、ヤケ、シミ
八重山近代民衆史
1,200円
三木健著
三一書房
1980年
状態:本体に所有印
【評】琉球王国時代に人頭税などの過酷な収奪に苦しんだ八重山の民衆は、明治時代に入っても時の政府の身勝手な意向に翻弄され続けた。琉球王国が解体され日本の領土に編入された翌年の1880(明治13)年には、中央政府は中国国内の商業権益と引き換えに、八重山・宮古諸島を中国に譲渡する条約案を提示する。結局はこの条約案は調印されず八重山は日本領にとどまるものの、王国時代の旧支配層からの反発を恐れ、民衆に重税を課す王国時代の旧体制は維持されたままだった。
さらに、最南端の島として国防の観点から、地元住民の利益とは無関係に、砂糖産業の育成や農耕地の開拓が推し進められる。しかし、日清戦争によって台湾を獲得し国境が南へ移ると、中央の政財界関係者は八重山への関心を失う。こうした離島の運命は戦後になって大きく変わったとはいえまい。中央によって一方的に進められた近代化の歩みを、本書は八重山の視点からたどる。(T)
民衆史を掘る 西表炭坑紀行
1,800円
三木健著
本邦書房
1983年
状態:函少ヤケ、天小口に少シミ
【評】西表炭鉱は日本の最も南にあった炭鉱であり、明治中期から終戦後まもない時期までの60年余り続いた。本書は、かかわった人々を訪ね歩き、同炭鉱で何が起こっていたか浮かび上がらせる試みである。
それによれば、もともと高温多湿の炭鉱という劣悪な労働環境のもと、マラリアや食料不足に苦しめられた上、ジャングルの中という隔絶された場所にあったことを利用し、監視役の暴力による脅しによって強制労働が繰り返された。しかも給与は現金でまともに支払われず、労働者は炭鉱切符とよばれる炭鉱内でしか使えない金券を受け取り、食料などの必要物資を購入しなければならなかった。経済的な搾取とともに、逃亡防止につながったといわれる。戦後、石油に取って代わられるまで明治の近代化以降、わが国のエネルギー供給を支えた石炭がいかに生産されたか改めて振り返るべきだろう。(T)
ドキュメント八重山開拓移民
1,800円
金城朝夫著
あ〜まん企画
1988年
状態:天にシミ
【評】石垣島をはじめとした八重山諸島は今でこそ、観光客はもちろん県外の移住者を引き付けるリゾートアイランドの一面を誇るが、琉球王国の時代から長く、多くの移住者を苦しめ葬ってきた歴史を持つ。主な原因はマラリアであり、安易な人の立ち入りを拒むジャングルであった。戦後しばらくは、過密人口の解消や食料の増産を図ろうと政府は八重山の開拓を積極的に後押しした。沖縄では終戦を機に県外から続々と引揚者が戻る一方、多くの土地が米軍基地のために奪われたこともあり、広い土地を求める人々が八重山各地に移住を始めた。しかし、マラリアに加え、資金不足、道路や水道など基盤整備の遅れ、台風や干ばつなどの自然災害もあり開拓は思うように進まず、移住地を去る人が相次いだ。金城朝夫『ドキュメント 八重山開拓移民』は、そんな歴史をつづっている。(T)
備瀬史
3,800円
仲田栄松著
ロマン書房
平成2年
状態 : 良
【評】沖縄らしさの一つが、地域史や地域誌が豊富なことではないか。いかに人と地域のつながりが強く、多くの習慣や文化を代々受け継いできたかが推し量れよう。特に字誌の多彩さには目を見張る。改まって比べたことはないが、他県では字誌を発行すること自体珍しいだろう。字という小さな集落について、本を一冊埋めるほど書く内容があるのかと思う。
本書『備瀬史』を例にとれば、備瀬という集落に関する記述だけで400ページを超える。テーマは集落の歴史、自然、文化・慣習、言い伝えのある場所、地域の伝統行事などに及ぶ。集落の方言やことわざだけでも45ページにわたって紹介する。集落ごとに「方言」と呼べるほどの言葉の違いがあるのかと考えたくなるが、本書によれば、本部町では集落ごとに独自の言語があるという。ちなみに備瀬といえば、沖縄美ら海水族館のある海洋博公園(海洋博の跡地に開設)に近く、集落を取り囲む美しいフクギの防風林で知られる。本書では、「海洋博と備瀬」と題した1章を設け、土地の買いあさりが起きたことが記録されている。(T)
碑文が語る~名護碑文記
1,000円
名護市教育委員会
平成9年
状態 : 天に少シミ
奄美 二十世紀の記録
4,000円
越間誠著
南方新社
2000年
状態 : 良
【評】奄美諸島に魅せられた著者が2000年まで、約40年にわたって風景や人を撮り続け、そのエッセンスをまとめた写真集である。藁ぶき屋根の家、牛を使った物資の運搬や農作業、頭にのせて荷物を運ぶ女性たち、豚を海岸で解体する男たち、ハジキ(入れ墨)を手の甲に入れた老女など、現在ではほとんど見なくなった奄美の姿が刻まれている。私たち日本人は長い期間、ゆったりとほとんど自然と同化するように生活していたが、ここ半世紀余りのうちに物凄いスピードで、人も暮らしも変化したことを改めて痛感する。(T)
写真集やんばる100年
B5版
2,000円
那覇出版社
平成15年
状態:良
<戦後史>
沖縄現代史
1,500円
真境名安興著
琉球新報社
1967年
状態:函ヤケ・スレ・割れ、本体にシミ・蔵書印
新聞五十年
2,000円
高嶺朝光著
沖縄タイム
昭和48年
状態 : カバー擦れ少々破れ、天と小口にヤケシミ
名前よ立って歩け 中屋幸吉遺稿集
2,400円
三一書房
1972年
状態:天、小口にヤケとシミ
【評】エネルギーと可能性に溢れた10代の方が、今より「死」を意識することが多かったのではないだろうか。可能性に溢れるということは何物でもないことであり、不安と拠りどころのなさが体に充満していた。しかも、純粋さや論理的な整合性を何よりも気にして、社会と自分に対して敵意すら覚えかねず、「死」という究極の解決方法への誘惑が動き出す。
こうした私の観念的な死の誘惑とは異なり、本書の著者・中屋幸吉は、明らかに時代の犠牲者だった。本書の最後に添えられた「一つ終焉 ―沖縄戦後世代の軌跡―」によれば、中屋は幼少期に沖縄の戦場を彷徨し生き延び、多感な青春期は重苦しい米軍支配を体験する。その最大の衝撃が、姪を米軍のジェット機墜落事故で失うことだった。「死体は、灰の中から発見された。人間の形相をすっかり喪くし、棒きれいみたいな焼死体となっていた」と記し、ショックで大学を休学する。祖国復帰運動に沖縄の絶望的な状況打開を見出そうとするが、40日間、東京をはじめ本土を訪問した結果は幻滅しかなかった。
表題の「名前よ立って歩け」とは、自己への決別であり、生命と肉体の分離を試みる死者の悲しい営為という。1966年6月、中屋は沖縄本島中部の知花城跡で自殺する。本書は、米軍占領期の沖縄におけて若い魂がどのような軌跡をたどったかが克明につづられている。(T)
報道写真 1979
1,000円
沖縄タイムス社
昭和54年
状態 : 小シワ、破れ
沖縄民政府 一つの時代の軌跡
2,000円
嘉陽安春著
久米書房
1986年
状態:背少破れ、表紙少ヤケスレ、天汚れシミ、小口少シミ、見開きに所有者サイン日付
悲運の島 沖縄 復帰の渦を追って
1,400円
大田政作著
日本工業新聞社
昭和62年
状態:天地小口にシミ、裏の見返しにシミ、ヨレ
沖縄1972.5.15.
1.000円
関広延著
海風社
1987年
状態 : 天小口にシミ・ヨゴレ カバーにヤケ・シミ
沖縄文化研究 15 戦後沖縄における社大党の役割 他
2,000円
法政大学沖縄文化研究所編
1989年
状態 : 函汚れシミ、天地 小口シミ
シンポジウム沖縄占領〜未来へ向けて〜
2,000円
宮城悦二郎 編
ひるぎ社
1993年
状態:カバー少スレ、天に少汚れ
【評】1945年に太平洋戦争が終わってから1952年にサンフランシスコ講和条約が発効するまで日本本土も占領下に置かれたが、沖縄の米軍統治とは異なる。沖縄の占領が20年長いだけでなく、質的にも異なっていた。本土の占領は米国だけでなく連合国によるものであり、「日本の民主化」という旗印が掲げられたのに対して、沖縄の占領は米軍単独であり、軍事拠点を築くというむき出しの国益が前面に出ていた。大衆文化から政治・経済まで米軍統治を多面的に検証した宮城悦二郎編『復帰20周年記念シンポジウム 沖縄占領~未来へ向けて~』には、目的達成のためには沖縄住民に容赦のない占領者としての米国の顔が表れている。(T)
沖縄・戦後放送史
2,000円
宮城悦二郎著
ひるぎ社
1994年
状態:天に少シミ
教育戦後史開封
1,000円
福地廣昭著
閣文社
1995年
状態 : 天、小口にシミ汚れ
【評】沖縄の戦後史を振り返るとき、教職員活動を外すことはできないだろう。福地曠昭『教育戦後史開封 ―沖縄の教育運動を徹底検証する―』が語るように、米軍は沖縄統治や基地管理に少しでも妨げになると認めれば、容赦なく沖縄住民を排除しようとした。それに住民側が対抗できる唯一の手段が団結し意志を表明することだった。1972年の沖縄の本土復帰も、住民側の意志表示がなければ実現しなかっただろう。教職員は民間企業や他の公務員に比べ自分の意見を発言しやすい上、子供たちへの影響力も大きく、沖縄の市民運動では大きな力を持った。 実際、沖縄の本土復帰後、最初の県知事になったのは、沖縄教職員会長を務めた屋良朝苗だった。
近年、こうした意志表示は特に教育現場では「政治的中立性」を損なう、「偏向している」として非難される傾向にある。では、政治的に中立とは何か。意志表示をしないことになる。時の政権が誤らないと、どうしていい切れようか。政権側は「法にのっとり適切に対応している」を繰り返し、メディアも本当に「適切」かどうか検証せず、政権側の主張を垂れ流す場面が多い。(T)
沖縄復帰物語 平和・戦争・占領・返還 1945年ー1972年
3,000円
ゴードン・ワーナー著
1995年 状態 : 良
石川文洋 ベトナム報道35年
1,200円
石川文洋著
株式会社ルック
1998年 状態 : 良
庶民がつづる沖縄戦後生活史
2,200円
沖縄タイムス社編
1998年
状態 : 背少ヤケ 天少汚れ
キャラウェイ旋風
2,000円
外間完和著
ひるぎ社
2000年
状態 : 天小口に少々シミ
アメリカ占領時代 沖縄言論統制史
2,400円
門奈直樹著
雄山閣
平成8年
状態:良
【評】今からちょうど15年前の2004年8月13日、沖縄国際大学に米軍ヘリが墜落したが、8月12日付の沖縄タイムス・インタビューで、当時の知事だった稲嶺恵一氏が「(墜落)現場では警察も消防も米軍に立ち入りを規制された。日本の民間地なのに。主権国家として由々しき事態で、米国の属国のように見えた」と語った。
「属国扱い」はたまたまではない。県外では、米国は日本と対等な同盟関係にあり、中国、ロシア、北朝鮮などの脅威に対して心強い味方と信じているかもしれないが、「属国扱い」を味わってきた沖縄では、そうした米国の顔は表向きにしか見えない。ヘリ墜落事故以前から、米軍の事故などについては県や地元警察の介入を拒み、軍にとって都合のよい情報しか外に出さず、治外法権状態を続ける状況は、今も変わっていない。
米軍が直接統治していた1972年まではさらに露骨だった。米軍に対する批判を許さず、直接抑え込んでいたのである。そうした状況は、門奈直樹著『アメリカ占領時代 沖縄言論統制史』にまとめられている。少しでも米軍に意に沿わないと判断されれば、一般雑誌、組合機関紙から高校の文芸誌まで出版不許可となった。
さらに、不許可の出版物を所持・配布したとして逮捕され、懲役や罰金の刑を科された人もある。米軍に批判的と見なされた新聞社は銀行融資の停止などの嫌がらせを受け、反軍デモに参加した教師や学生は、教員免許をはく奪されたり、謹慎や退学の処分を受けたりした。
自由と人権を重んじる米国といっても、それは自国民に対して。自国民以外では勝手が違ってくる。あくまでも判断の最も重要な基準は、効率的に米国の利益を実現できるかどうかであり、それをもとに冷徹な計算を駆使して計画をたて容赦なく実行に踏み切る。トランプ政権は「米国第一主義」という色づけをされているが、以前から「米国第一主義」は貫かれてきた。トランプ政権とそれ以外の政権の違いは「第一主義」を露骨に表に出すか出さないかの違いだろう。(T)
沖縄の反戦ばあちゃん 松田カメ口述生活史
1,000円
平松幸三 編
刀水書房
2001年
状態 : 良
琉球新報百十年史
3,000円
琉球新報社
2003年
状態:天、小口に少シミ
軍事植民地 沖縄
1,000円
吉田健正著
高文研
2007年
状態 : 天、小口に少汚れ 、本体少ヨレ
【評】1996年、著名な軍事アナリストの言葉から本書は始まる。「『沖縄の連中はいい加減にせい』という声が出ているんです……だんだん本土側がいらだっているのです」。何にいらだつかといえば、沖縄の米軍基地への反対である。歴史的な背景をまったく無視し、意見の異なる人を頭ごなしに否定する傾向はすでに始まっていたといえよう。強まる「沖縄たたき」に大いなる疑問を感じた著者は、戦後、沖縄が米軍基地から受けた被害を振り返るとともに、米軍や日本政府の対応を分析し、サブタイトルの「日本本土との<温度差>の正体」を浮かび上がらせる。(T)
命と暮らしを守る沖縄の戦い 辺野古・高江・普天間
3,000円
兼城淳子著
2014年
状態:裏表紙に折れスジ
<産業>
沖縄海洋発展史
3,000円
安里 延著
琉球文教図書出版
昭和42年再販
状態 : 裸本 カバースレ キズ 、天地 小口ヤケ シミ
鐵と琉球
5,000円
城間武松 編
金秀鉄鋼株式会社
1968年
状態 : カバーヤケ、スレ、少破れ
黎明期の海外交通史
3,800円
東恩納寛惇著
琉球新報社
1969年
状態:函、天地小口に少ヤケ、概ね良
沖縄県史 3 経済
8,000円
国書刊行会
1989年
状態:背表紙に小さく虫食い
琉球山原船 水運の展開
3,000円
池野茂著
ロマン書房
1994年
状態:天・小口少シミ
【評】題名のとおり、ヤンバル地方(沖縄本島北部)の水運史を振り返るが、その中で興味深いのは、共同売店が山原船の運航を手掛けた点である。
共同売店は、集落の住民が共同で出資・運営する小売店舗であり、現在でもヤンバルを中心に残る集落は少なくない。交通の便が悪い地域では個人での買い物が難しいことから、共同で購入し販売する仕組みとして設立された。地域によっては、商品の流通ルートを外部資本に独占的に握られ、住民は高い値段をふっかけられ搾取されたため、これを防ぐ意味合いもあったという。
こうした経緯から各地で共同売店が設けられたことは聞いていたが、商品を運んだり地域の産品を出荷したりするために、独自に船まで運行していたことは初めて知った。生活を良くしようと地域住民がいかに結束したかを物語っていよう。歴史といえば、中央の権力者の言動ばかりに注目するが、庶民の暮らしに起きる変化にもっと光を当てる必要があることを痛感する。
何年か前、沖縄国際大学の研究室が主催するツアーで、1906年最初に共同売店を設立した本島最北端の奥集落を訪ねたが、共同売店は今も続き、特産品のお茶の生産、宿泊施設の運営、町おこしイベントなどと連携させていることを聞き印象に残っている。(T)
琉球の郵便物語
1,600円
金城康全著
ボーダーインク
1998年
状態 : 背少ヤケ
【評】琉球王国時代、公文書など送付する業務は宿次(シュクツギ)と呼ばれ、現代の郵便事業に相当すると思われる。明治時代に入って琉球王国が沖縄県に置き換わると、日本政府から駅逓大属・眞中忠直が派遣され、本格的に郵便事業が導入される。この歴史を解きほぐすのが本書である。(T)
オリオンビール40年のあゆみ
4,000円
オリオンビール株式会社
光文印刷
平成10(1998)年
状態 : 函にシミ・ヨゴレ 天 小口にシミ・ヨゴレ
世界初 黒蝶真珠誕生物語
1,200円
大浜英祐著
平成12年
状態:良
<女性>
沖縄女性史
2,000円
宮城栄昌著
沖縄タイムス
1967年初版
状態:天地小口にシミとヤケ、シールの剥がし跡
沖縄の女たち 女性の人権と基地・軍隊
1,400円
高里鈴代著
明石書店
1996年
状態:天・小口にシミ
【評】中国や北朝鮮との緊張関係の高まりを背景に、わが国では軍事力が存在感を増している。「隣国に対抗してもっと軍事力を強化せよ」や「攻撃される前に攻撃せよ」と勇ましい声が上がる一方、「やはり米軍抜きには国は守れない」という呟きも聞こえてくる。いずれにせよ、軍事力は国民を守るという建前にしか目を向けていない。
大きな被害をもたらしてきた歴史があるのも事実だ。それを告発しているのが、高里鈴代著『沖縄の女たち 女性の人権と基地・軍隊』である。軍隊という男性中心の組織では、性のはけ口を駐留地域の女性に求め、人権よりも組織の論理が優先されることもあり、性犯罪は軽く扱われる傾向があった。しかもほかの犯罪に比べ、性犯罪は被害者が声をあげにくいため表に出にくい。復帰前の沖縄のように貧困層の多い地域では、他の仕事に比べ確実に高い収入が得られる性産業に女性が向かわざるを得ず、客との間に入る仲介業者からも搾取される構造が生まれた。
沖縄探見社編『基地と性暴力』も、沖縄における基地と性暴力の歴史について解説している。(T)
歓楽郷 辻情話史集
4,000円
来如雀
渡嘉敷錦水 共著
沖縄郷土文化研究所
昭和45年重版
状態:函背ヤケ、天・小口ヤケ、シミ
【評】王国時代から沖縄戦で破壊されるまで続いた沖縄の遊郭・辻は、歴史の表舞台には現れにくいが、深い愛憎劇を繰り返しさまざまな人間模様が刻まれてきた舞台。専門家の見解から市井に伝わる噂まで多面的に情報を集め、全400ページを超える大作になっている。歴史や変遷、行事、決まりごとなど地域の概略を研究者の視点から論じる一方、地域にまつわる怪談、琉歌、伝説、エピソード、料理なども紹介し、全体的に気軽に手に取れる読み物になっている。付録として、伊波普猷の「琉球の売笑婦」や中山太郎の「売笑三千年史」などの論文も掲載されている。(T)
性 to 生 ジェンダーのはざまから
1,000円
竹下小夜子著
沖縄タイムス社
1998年
状態:署名、天小口に少シミ
<人物>
新説 阿麻和利 (上下巻セット)
2,000円
嘉陽安男著
光有社
1963年
状態 : 天小口ヤケ カバーシミ
沖縄の先人たち
800円
沖縄の先人たち編集委員会編
沖縄教育出版
昭和57年
状態:背ヤケ、天小口ヤケ・シミ
王堂チェンバレン その琉球研究の記録
2,000円
山口栄鉄 編訳
琉球文化社
1976年
状態:天・小口ヤケ、シミ
名護親方程順則評伝
3,800円
眞栄田義見著
沖縄印刷団地出版部
昭和57年
状態 : 背ヤケ、カバースレ、天少ヤケシミ
時代を開く 儀間真常 人と功績
1,400円
田名真之著
那覇出版社
1994年
状態:背ヤケ、天少シミ
比屋根安定 草分け時代の宗教史家
1,000円
寺崎暹著
リブロポート
1995年
状態 : 並
沖縄 文化・芸能 人名録
1,600円
沖縄タイムス社
1998年
状態 : 背ヤケ、シミ
沖縄人国記
1,200円
琉球新報社
1999年
状態 : 天地シミ、カバー汚れ
【評】 生まれ育った地域と人となりがどれほど関連しているだろうか。出身地を聞き「なるほど」と思う人もいれば、関連性を感じず意外に思う人もいるが、沖縄では、その人の出身地を知ると、生い立ちの一部をのぞけたような気がして親しみがわく人が少なくない。人の個性や気質は地域の文化や歴史と深くかかわるせいかもしれない。本書は各界の著名人・有名人1000人余りを県内53市町村ごとに分類し、さっと鉛筆で素描するように生い立ちや功績の輪郭を紹介している。(T)
沖縄歴史人名事典
800円
島尻地区小学校社会科研究会
沖縄文化社
2002年
状態 : 奥付に所有印
英人日本学者チェンバレンの研究
2,400円
山口栄鉄著
沖積舎
2010年
状態:良