沖縄で相次ぐ休館休園は正しいか

 新型コロナ感染対策として沖縄県が7月31日、緊急事態宣言を発令したのを受けて、首里城公園(有料区域など)、沖縄県立図書館、沖縄県立博物館・美術館などの臨時休園や休館が決まった。確かに人の流れを減らすことは、感染リスクを減らすといわれるが、臨時休園・休館を決めた施設にどれだけの感染リスクがあるか考えたのだろうか。

 首里城公園や県立図書館を時々のぞくが、訪問者は施設内にぽつんぽつんといるくらいの人数しかなく、お互いの距離は数メートルから数十メートルあり、しかもほとんどの人が几帳面にマスクをつけている。図書館は場所柄ほとんど会話を交わすことがない。どれほどのリスクがあるといえるのか。感染症の専門家ではないが、ここ数カ月テレビで専門家のコメントを聞くかぎり、危険なのはマスクをはずして距離をとらずに屋内で会話をする時だろう。このようなケースに絞って対策をとる方が効果的であり、経済的な影響も少ないはずだ。

 しかし、県が独自に発令する緊急事態宣言は本島全域に外出自粛を求めるもの。県民全体に緊張感をもたらし人の流れを抑えることになるが、経済的な打撃も全域に及び大きい。人の流れを復活させれば感染は再拡大し、再び人の流れを抑制する必要に迫られるという繰り返しが今後しばらく続くことになろう。県内に幅広く緊急事態宣言を出すことは県経済への影響が大きく何度も繰り返せることではない。地域、自粛や休業要請をかけるポイントなどを絞って素早く打てる対策を生み出すしかないだろう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です