大アカギの迫力を間近に

 那覇市金城町の大アカギのうち、一番奥にあり最も大きいと思われる大アカギはここ何年も近く寄ることができなかった。樹齢200年を超えるとみられる、この大アカギは衰弱が進んでいるらしく、近くを人が歩くと根の周辺の土が踏み固められ、さらに弱らせることになりかねないと、10mくらい手前から立ち入り禁止になっていた。

 最近、大アカギのところに行くと、木道が完成し一番奥の大アカギを間近でみられるようになっていた。自由に立ち入ることができた十数年前にも目した記憶があるが、人間を超える歳月を生きてきた樹木の迫力を改めて感じることができた。

 幹は真っ直ぐ伸びるのではなく、随所に大きなでこぼこがある。近寄る生き物をすべて絡めとる網のように無数の枝が広がり波打ち、歪みうねる。亜熱帯の強い日差しを浴び続け、大きな風雨に何度となくさらされ、アカギ特有の内部の養分や水分の流れも影響しているのかもしれない。これら巨大な生命力の営みを木の形にとどめ見る者を圧倒する。我々動物は自分の意志で動き回れる自由を得たのと引き換えに、一定年月を過ぎるとみすぼらしく縮み干からび形を失うのと対照的である。(T)

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