火災後の首里城を訪れる
10月31日の火災で正殿などが消失した首里城へ11月3日、とうとう行ってしまった。火災の現場に行くのは野次馬であり、軽薄なようで気がとがめるところがあった。しかし、時間に少々余裕ができたこともあり、現場を見たいという欲望に抗することができなかった。
当然、首里城公園の施設は閉鎖されていたが、守礼門から城内へ向かう通りは通常と変わらないくらい、人の流れがあった。意外というか、よくよく考えれば当然なのだろうが、テレビなどで大々的に火災のニュースが流れたから、どうなっているか見たいと思う人が結構いるのだろう。首里城の駐車場が閉まっているせいか、タクシーの姿が目につく。
首里城へ向かう道では、守礼門は通過できたが、一般人が一番近づけるのは、首里城内に入る歓会門の手前まで。ここからの風景は、ぱっと見は通常の首里城とあまり変わらない。唯一違っていたのは、歓会門の後ろに少し顔を出す、屋根が黒くなった北殿だった。野次馬の人々に交じって、地元の地名が入ったTシャツを着た親子連れの人々が、ゴミ拾いや沿道の掃除をしていた。こういう時こそ、自分たちのできることを、という思いなのだろう。(T)