色あせる歴史意識 本土復帰50周年②
1月24日投稿の「本土復帰50周年①」で触れたように、日本の政治家の間で歴史意識が薄らいでいることは明らか(日本全体の傾向でもあろう)。それが最も端的に表れているのは、菅義偉氏と前沖縄県知事翁長雄志氏のやりとりだ。普天間基地の移設について、翁長氏は官房長官だった菅義偉氏と5回にわたって協議を重ねたが、溝の深さを痛感した。在任中に出版した『戦う民意』の中で、「いくら歴史を語っても、菅官房長官からは『私は戦後生まれなものですから、歴史を持ち出されたら困りますよ』『私自身は県内移設が決まった日米合意が原点です』という答えが返ってきました」。
県内移設を沖縄が受け入れられない理由を、『沖縄と本土 いま、立ち止まって考える 辺野古移設・日米安保・民主主義』で次のように語っていた。
「私は、菅さんにこのように申し上げました。
『普天間の原点はそうじゃございませんよ。戦争が終わって、普天間に住んでいる人たちが収容所に入れられている間に、(土地を)強制的に接収されて、銃剣とブルドーザーによって、米軍の飛行場ができたんですよ』と。
それが、60年経って世界一危険だから、そして、老朽化しているからという理由で、それをお前たちがまた負担しろ、それが嫌ならば代替案を出せというのは、いくら何でも理不尽ではありませんか」(T)