旧正月の沖縄で考える日本人の行方

 今日(2月10日)、春節を迎えたと各局のテレビ・ニュースが伝え、主に中国の映像が流れる。春節は現在でもベトナムや韓国などアジア各地で祝われ、もともとは日本にも根付いていた旧正月だ。沖縄でも糸満市など漁業が盛んな地域は今も関連風習が残り、港には大漁旗を掲げる漁船の列が見られる(写真)。ただ、日本国内では全般的に、明治維新とともに新暦文化に切り替えられ、今では旧正月はどこか外国の年中行事のように聞こえるようになった。

 アジアでいち早く近代化を達成できたのも、こうした外来の文化やシステムに寛容な国民性が影響しているだろう。一方で、日本人としてのアイデンティティーのあやふやさに繋がらないか不安も残る。特に、戦後日本は食事から生活習慣、年中行事、思考方法、科学技術まで、外国(主に欧米)から都合のよいと思われるものはどんどん取り入れてきた。一部の伝統文化に携わる人々を除けば、大半の人にとって何が自分にとって守るべき価値観か非常にあやふやになっているはずだ。(T)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です