力こそ正義の時代に戦争を語る 岡部伊都子著『ふたたび「沖縄の道」』

集英社クリエイティブ編『戦争と文学8 オキナワ 終わらぬ戦争』から⑧

 本作品では作者が沖縄とかかわり反戦意識を抱くきっかけが切々と語られる。単に理念としての平和だけでなく、身近な人を戦争で失ったという切実な体験に裏打ちされていることが伝わる。一方で2025年という現在、本作品を読むと、トランプ大統領やプーチン大統領のように世界有数の武力を持った国が、その武力を使って自国の正しさを主張する時代にはどうやって平和を実現すべきか、その困難さを考えざるを得ない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です