沖縄と出会う高二の少女たち 灰谷健次郎著『手』

集英社クリエイティブ編『戦争と文学8 オキナワ 終わらぬ戦争』から⑨

 物語は高校二年生の少女が教師に向って語りかける形で繰り広げられる。彼女は、不発弾によって手に大きな傷を負った沖縄出身の教師に出会うことによって沖縄に興味を持つようになり、友人と二人で八重山への船旅に出発する。八重山では眩暈を引き起こしそうな濃厚な自然と沖縄戦の重々しい歴史に触れ、自分の手と足で沖縄を知ろうと歩み出す。みずみずしい感覚の若い魂が葛藤を繰り返しながら成長を遂げる姿を描く。

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