公園の遊具と沖縄

那覇市の公園を県外から訪れた人と歩いた時、彼が「沖縄の公園には遊具が多いですね」と言ったことが印象に残る。県外の公園を遊具に注意して見ることがなかったが、全国的には公園から遊具が消えているのかもしれない。遊具を使って子供たちが遊ぶうちに事故を起こすケースが相次ぎ、これを嫌って行政側が遊具を減らすことは十分考えられる。
子供の頃、近所には「空き地」と呼ばれる場所があった上、公園や学校には鉄棒、ブランコ、滑り台、ジャングルジム、シーソーなどがあり、幼い頃は夢中になって遊んでいた。中でものめり込んだのがブランコだった。尻を乗せる板を二つの紐で吊っただけの単純な構造ながら、乗って体を前後に振るうちにあっという間にスピードが増す。世界が大きく揺れ傾く高揚感がたまらなかった。
ブランコから飛び降りてどこまで遠くへ行けるか、ブランコからどこまで靴を飛ばせるか、など友人と競った思い出がある。あの頃は危険という感覚はまったくなかった。しかし、ブランコは子供が転落したり紐がからまったりして、遊具の中でも危険度が高いと考えられるのか、見かけなくなった気がする。

最近、那覇市の新都心公園で新しい遊具がお目見えになった。中を子供が通れるチューブや渡り廊下のようなものと滑り台を組み合わせたものだ。事故が起きない遊具を追い求めると、こうゆう形になるのかもしれない。どこか宇宙船のようにも見える。近未来的な形がウケるのだろう、子供達が盛んに歓声をあげていた。少し離れたところに集まる子供の数は少ないが、ブランコがある。昔ながら定番があり何となくほっとする。