沖縄レトロの魅力はどこに?

 2019年から建て替え工事に入っていた牧志公設市場が前月中旬、新装オープンになったが、市場界隈をよく歩く知人や地元新聞などの評判を聞くと、おおむね良好なようである。確かに、以前の建物は建設から半世紀近くが経過し、かなり老朽化し使いづらかったり衛生的でなかったりした。ただ、一方で市場界隈の魅力は昭和の時代を思い起こさせるレトロな雰囲気。これが観光客を惹きつけいることは間違いない。

 数年前にも、映画の舞台にもなった農連市場が建て替えられたが、市場界隈を全体的にどうしていくか全体構想が描かれているとは思えない。このまま、老朽化したから新しくするという繰り返しだけでは、この区域の魅力が半減しかねない。県外に視線を転じると、人口減少社会が進む中、新たに人を呼び込もうと積極的な地域づくりの取り組みが各地から聞こえてくる。市場界隈の大半が民間の建物だから行政が直接図面を描けないだろうが、地域の声を拾い上げながら専門的な経験を生かして全体構想をまとめる総合プロデューサー的な存在は沖縄でも欠かせないのではないか。

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