好き勝手に描く絵画は簡単か 岡本太郎著『今日の芸術』②

 近現代の絵画をどう見るべきか。本書では平易で分かりやすく解説している。その中で最も重要だと思うのが、「自由に」「好き勝手に」描くことの難しさである。一見すると簡単のようだが、これが中々できない。

 誰かに見せることを意識すると、他の人からどのように言われるか想像し始める。「うまい」とか「上手」とか「素晴らしい」とか褒められたいから、時代の流行や世間体を気にして、ウケがいい題材を選び、小手先のテクニックや、世間で評価される作品の猿真似に流されがち。

 「下手くそ」となじられることを恐れて、そもそも描くことをやめる人も少なくない。著者はこうした雑念をすべて排除し、ただ己の精神の自由に任せて筆を運び、誰が何と言おうと自信をもって作品を発表すべきと説く。だから、1月3日の投稿で紹介したように、芸術は「うまく」「きれい」であってはならないと主張する。これは芸術以外の多くの表現活動でも共通することだろう。

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