2022年4月17日 / 最終更新日時 : 2022年4月17日 okihon-ya 本の紹介 「夢中」や「好きなこと」に潜む危険 國分功一郎著『暇と退屈の倫理学』② いかに生きるべきか。大人たちが子供に向かって説く時、「夢中になれること」や「好きなこと」を見つけなさいという言葉がよく使われる。本書は、暇と退屈に満ちた人生をいかに過ごすべきか考察を重ねるにもかかわらず、単なる暇つぶし […] 共有:TwitterFacebook
2022年4月10日 / 最終更新日時 : 2022年4月10日 okihon-ya 本の紹介 沖縄で昔話の源流を探る 柳田國男著『桃太郎の誕生』 沖縄の昔話「黄金の瓜」は、放屁したとして首里城から追放された妃が城外で生んだ息子が、黄金の瓜を利用して国王に妃追放の非を認めさせ首里城に戻るという物語である。一部の地域では史実のごとく信じられていたが、話の舞台や登場人 […] 共有:TwitterFacebook
2022年4月3日 / 最終更新日時 : 2022年4月3日 okihon-ya 本の紹介 退屈という名の地雷原を突き進め 國分功一郎著『暇と退屈の倫理学』 何百年にもわたる闘争を経て、貴族ら一部の人間にしか許されなかった自由と安定を私たち庶民も手に入れた。同時に退屈という副産物が生活の中に滑り込んだ。これに対して、酒やたばこといった一時的な気晴らしから始まり、パーティー、 […] 共有:TwitterFacebook
2022年3月27日 / 最終更新日時 : 2022年3月27日 okihon-ya 本の紹介 命を捧げることを美化してよいか 井上靖著『補陀落渡海記』 民俗研究者の間では、熊野地方と沖縄の文化的なつながりが時折指摘されてきた。琉球王国時代に熊野地方から「補陀落僧」と呼ばれる僧侶が沖縄に流れ着き、信仰・文化を広めたり集落を開いたりしたという言い伝えが残る。そんな秘密めい […] 共有:TwitterFacebook
2022年3月9日 / 最終更新日時 : 2022年3月9日 okihon-ya 本の紹介 女性であることを嫌悪 川上未映子著『乳と卵』 前回の投稿に続いて女性作家の小説を読み、男の小説ばかり読んできたことに気づく。意識したわけではないが、男の身勝手さを責められることをひそかに恐れたのだろう。男女平等の世の中といっても、実際には今も男中心であることには変 […] 共有:TwitterFacebook
2022年3月3日 / 最終更新日時 : 2022年3月3日 okihon-ya 本の紹介 解き放たれる女性の魂 瀬戸内寂聴著『花芯』 昨年亡くなった瀬戸内寂聴さんは、飾らない率直な物言いをテレビでよく見かけたが、作品はまったく読んだことがなかった。どんな小説を書くのだろうと思って手にとったのが本著だ。一時期、文壇を干された契機となった作品といわれる。 […] 共有:TwitterFacebook
2022年2月26日 / 最終更新日時 : 2022年2月26日 okihon-ya 本の紹介 「袋中上人と琉球の熊野信仰」など 沖縄文化研究13 袋中上人といえばエイサーの元祖のように語られることが多いが、琉球王国時代の宗教状況を解説した『琉球神道記』の著者としても知られる。その中で琉球では熊野権現に関連した神社が多いことを指摘している。上人自身が熊野信仰と密接 […] 共有:TwitterFacebook
2022年2月20日 / 最終更新日時 : 2022年2月20日 okihon-ya 本の紹介 失われた全体性と求められる物語 『村上春樹、河合隼雄に会いにいく』 近現代は肉体と精神を分離し、合理性や論理性の追求によって科学が発展し経済は成長する一方、心が病む原因を生む。一面的な社会的規律や効率性に常にさらされ傷ついた現代人の意識を治癒し、全体性や肉体性を回復するために物語が必要 […] 共有:TwitterFacebook
2022年2月19日 / 最終更新日時 : 2022年2月19日 okihon-ya 本の紹介 豊富な写真と平易な文章で神事を再現 宮城鷹夫・石井義治著『白装束の女たち』 イザイホウは、久高島で12年ごとに催される沖縄の代表的な古代神事だ。島に住む30歳から70歳までの全女性が参加し旧暦の11月15日から5日間にわたってさまざまな神事が繰り広げられる。本書は、島を訪れ直接見聞きした195 […] 共有:TwitterFacebook
2022年2月13日 / 最終更新日時 : 2022年2月13日 okihon-ya 本の紹介 歴史を消し去る波に抗う 佐野眞一著『僕の島は戦争だった』 佐野氏が著作に付けるタイトルには独特の香りが漂う。本書のサブタイトルは「封印された沖縄戦の記憶」であり、沖縄戦後史について以前まとめた著作は『沖縄 だれにも書かれたくなかった戦後史』。そのまま素直に飲み込めないネーミン […] 共有:TwitterFacebook