ランの花に勝手に思うこと

 街路樹や歩道近くの樹木に最近、ランが植え付けられているのをよく目にする。花を多くして街並みを華やいだものにしようという心遣いなのだろう。

 ランとは不思議な花である。花は色鮮やかで美しいが、それ以外の部分、特に根っこは貧弱に見える。非常にアンバランスに感じる。そのため、ランについては個人的にやや良くないイメージを持っていた。外見はよいけれど、中身の貧しいヤツとか、擬人化したくなる。

 しかし、人間の常識は植物には通じない。樹木に寄生しているとばかり思っていたが、単にくっついているだけで自活する「着生」植物なのだそうだ。つい最近知った。花といえば「死んで花実が咲くものか」など、つい人生と重ね合わせたくなるが、ほとんどが人間の勝手な思い込みにすぎないかもれない。そんな思いがこみ上げる。(T)

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