聞こえるのはバラマキと軍備増強

 新型コロナ感染の拡大で冷え切った観光業を刺激しようと、旅行代金の割引サービスが全国的に広まり、観光地が活況を取り戻しつつあるとTVニュースが伝えている。それ自体は悪いことではないが、国が膨大な借金を抱え次世代にツケを残す状況にありながら、こんなカネの使い方にほとんど反対の声があがらないのは不思議だ。参院選が近づいているせいだろう、社会のムードとしては景気のよいバラマキ策を利用して、少しでも役得に乗っかろうとしているのかもしれない。一方、ロシアのウクライナ侵攻で、食糧やエネルギーの安全保障が注目されているにもかかわらず、国内で自給できる食糧確保やクリーンエネルギー開発に政界からほとんど声が上がらない。

 聞こえてくるのは、老化した経済の「筋肉」にドーピングを施し無理やり成長させようとするがごとく、カネをジャブジャブに垂れ流す財政政策。それに、やたら勇ましさを鼓舞する「軍備増強」である。具体的にどんな装備をどれだけ増強して何を守ろうとするのか。岸田内閣に代わってもアベノミクスの延長にしか見えない。それでも、ある程度カネが平等に回るようになればよいが、今のところ回るところと回らないところの差が大きいように思える。昨日(6月11日)、那覇市の公設市場周辺を歩いたが、週末にもかかわらず、人通りは少なく、シャッターを閉めたままの店が目立つ。沖縄の小さな店にまで恩恵が広まるまでにはまだまだ時間がかかりそうだ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です