沖縄と中国との距離感

 沖縄は琉球王国時代から中国との交流は盛んだ。首里城の入り口に立ち、沖縄観光の象徴的な存在である守礼門(写真・上)も、もともと牌楼という中国式の門。だいぶテイストは異なっているが、横浜中華街の入り口にある門(写真・下)と基本的には同じ形式である。再建中の首里城正殿にしても、中国と日本の建築様式を融合させたもの。最終的には、日本と中国をはじめとしたアジア各地との交流によって琉球・沖縄が形成されたと言ってよいだろう。

 7月3日から7日まで沖縄県知事が中国を訪問していたが、ネットニュースでは好意的でない意見が散見された。今回に限らず、中国と交流しようとすると、「中国寄り」から「中国に沖縄を売り渡そうとしている」までかなり否定的な論調が目につく。「台湾有事」を叫び自衛隊配備を増強するだけでは、台湾に最も近い沖縄の安全は守れまい。また、経済的にも、沖縄に限らず日本全体でも人やモノの行き来が盛んとなり、中国が最大の貿易相手国となった今、交流せずしてどうやって中国と向き合うことができようか。(T)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です