江戸と明治、どちらが自由か 渡辺京二著『幻影の明治』

 11月22日に投稿した『近代の呪い』と合わせて読むと、著者が明治という時代をどう捉えているかが分かる気がする。それによれば、日本は江戸末期まで独自の政治・経済体制が成熟し、庶民も武士も一定の自由や民主主義を育て暮らしていたとみる。特に、庶民が支配階層とは無関係に自由を保っていたことを強調する。ところが、欧米列強が日本に接触し交渉を持つようになると、日本は政治・経済体制を改め、国家間競争に勝ち抜くために国民を統制し総動員する中央集権化を進めざるを得なくなった。しかし、その過程で利益や権利を奪われた階層の人々は義憤を覚え反乱を起こし新たな政治体制を模索する。社会が大きく揺れ動いた時代である。(T)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です