明かりの見えない沖縄

 最近、那覇市の国際通り沿いに、大きな看板が立ちPCR検査センターがオープンした(写真)。へえ~と軽い驚きを覚えたが、2位の東京都を大きく引き離し、沖縄は全国でもダントツの新型コロナ感染率(人口10万人当たり)ワーストワンであることを思えば、当然のことかもしれない。ここ1週間ほどは新規感染者数がやや頭打ちの印象もあったが、8月25日に809人と過去最多を更新するなど、ピークは見えない。しかも頭打ちだとしても、県内の医療体制を脅かす高い感染水準が続く。

 今月(8月)25日の記者会見で菅首相が「明かりははっきりと見え始めている」と発言したそうであるが、ワクチン接種の普及と全国的な感染拡大の頭打ちで安心して次の対策をおろそかにしないか不安である。これまでも国の対策は必要に迫られて重い腰を上げるというパターンの繰り返し。最近政府が口にし始めた臨時の病院施設(野戦病院的施設)も1年以上前から設置が叫ばれてきた。ワクチン接種が進んでも、新たな変異株の出現などによって新型コロナとの闘いが終わらないことは他国の例を見て明らかだろう。自粛疲れが一層進み、これまでのように飲食店の営業自粛だけに頼れない。新たな人の流れの抑制策や生活スタイルの構築に向けて、制度設計や法整備を今から準備する必要があろう。(T)

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