久しぶりに見る旗頭の風景

 4年ぶりに通常開催となった那覇大綱挽。10月8日午前11時半過ぎから、国際通りで旗頭行列が始まったが、各地域の旗頭が並ぶ風景を久しぶりに見ると、戦いムードを盛り上げるのにふさわしいことを改めて感じた。近代戦になる以前の日本や中国で、戦場といえば旗が林立する光景が描かれる。大きな旗は自分たちの部隊の存在を誇示するとともに、敵を威嚇する意味があったのかもしれない。文字が書いた布を長い竿にくくりつけただけなのに不思議である。

 この日は、爆竹の破裂音に硝煙の香り、太鼓の音や勇ましい掛け声が通りに響き渡り、ようやく日常が戻ってきたと思う。ただ、コロナ禍というブランクが演じる側に作用したのか、見る側に作用したのか、若干、何かギクシャクしたものを感じた。まだ感染症への恐れが抜けきらないのか、コロナ禍以前に比べると、沿道の観客もやや少ないような気がした。(T)

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