日米同盟という幻想 川名晋史著『在日米軍基地』②

 3月17日の投稿で紹介した本書について、国連軍以外の論点にも触れておきたい。その中でも最も重要なものは「日米同盟」の意味合いだろう。本書では日米間で交わされた条約や協定などをひも解きながら、米軍に直接的な日本防衛義務がないことを指摘する。在日米軍基地や日本に滞在する兵員・家族らを保護する責任を持つことによって、周辺地域を防護することにもなり結果的に日本を守ることになるが、在日米軍に過度な期待は抱けない。

 日米安全保障条約などに基づく日米同盟は、加盟国が攻撃されれば全加盟国で防衛するNATOとは異なる。考えてみれば、当然だろう。日本は米国が攻撃されても防衛する義務がないのに、日本が攻撃されたら米国に守ってもらおうとするのは虫が良すぎる。しかし、日本政府は在日米軍に支払われる「思いやり予算」をはじめ、さまざまなコストを国民に納得させるため、あえて日米同盟の幻想を抱かせているような気がしてならない。米軍に守ってもらっているのだから、こうした負担は仕方ないと。(T)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です