2023年10月21日 / 最終更新日時 : 2023年10月21日 okihon-ya 本の紹介 何が青年を死へと駆り立てるか 『中屋幸吉遺稿集 名前よ立って歩け』 エネルギーと可能性に溢れた10代の方が、今より「死」を意識することが多かった。可能性に溢れるということは何物でもないことであり、不安と拠りどころのなさが体に充満していた。しかも、純粋さや論理的な整合性を何よりも気にして […] 共有:TwitterFacebook
2023年10月16日 / 最終更新日時 : 2023年10月16日 okihon-ya 本の紹介 沖縄的やさしさの危機 大田昌秀著『沖縄人とは何か』 本書は、著者が1970年代前半にハワイの沖縄人(系)を対象に実施した意識調査をもとに、アイデンティティーに関する考えをまとめたもの。出版された1980年は、沖縄がまだ本土復帰してまもなく、さまざまな面から「沖縄(人)と […] 共有:TwitterFacebook
2023年10月14日 / 最終更新日時 : 2023年10月14日 okihon-ya 本の紹介 沖縄の食に込めた思いと手間をさらりと 池澤夏樹・文/垂見健吾・写真『神々の食』 著者はあとがきで「沖縄は格別にうまいものが獲れるところだというつもりはなかった」と語る。まったく同感である。テレビ番組や雑誌記事で観光地を紹介する場合、グルメに触れないわけにはいかない。視聴者や読者の期待値を上げないと […] 共有:TwitterFacebook
2023年9月30日 / 最終更新日時 : 2023年9月30日 okihon-ya 本の紹介 長く険しい沖縄「自立」への道 仲村清司・宮台真司著『これが沖縄の生きる道』 米軍基地反対の声をあげても、なかなか幅広い共感を得にくい時代。基地反対派も容認派も無関心派も、表面的には意見も考え方も生き方も相いれないように見えても、「なぜ、そう考えるか」をどんどん掘り下げていけば、共有できる感覚や […] 共有:TwitterFacebook
2023年9月23日 / 最終更新日時 : 2023年9月23日 okihon-ya 本の紹介 ユーミン、尾崎豊、大滝詠一にも投影 難波功士編『米軍基地文化』 本書では各方面から米軍基地が日本文化・社会に及ぼした影響を分析するが、70年代から80年代にかけて歌謡曲やニューミュージックの洗礼を受けた者としては「第2章 米軍キャンプ・アメリカ・歌謡曲 ――戦後ポピュラー音楽のひと […] 共有:TwitterFacebook
2023年9月16日 / 最終更新日時 : 2023年9月16日 okihon-ya 本の紹介 いつまで続くか?イベント型開発 多田治著『沖縄イメージの誕生』 この「開発」手法は経済成長に一定の役割を果たしたのだろう。大型イベントを打ち上げることによって、インフラ整備が一気に進む。国際的な注目を浴び国内外から観光客を集め、関連商品の売り上げを一挙に押し上げる。しかし、成熟期と […] 共有:TwitterFacebook
2023年9月14日 / 最終更新日時 : 2023年9月14日 okihon-ya 本の紹介 同郷者がつくる市場の賑わい 石井宏典著『都市で故郷を編む』 那覇市の国際通りに面したアーケード街は迷路のように細い路地が入り組み、昭和レトロの雰囲気が漂う。食料品店、土産物店、飲食店、衣料品・アクセサリー店などが並び観光客で賑わうが、だんだん奥に進むと雰囲気は変わる。シャッター […] 共有:TwitterFacebook
2023年9月9日 / 最終更新日時 : 2023年9月9日 okihon-ya 本の紹介 沖縄と民俗学の聖域に切り込む 村井紀著『南島イデオロギーの発生』 沖縄の民衆文化や民俗を語る上で、はずせないのが柳田国男と伊波普猷だろう。柳田は沖縄をはじめ国内各地を歩き民衆の声や記録を集め、伊波は沖縄出者として沖縄の文化や歴史を深く掘り下げた。いずれにせよ、民衆の声なき声に耳を傾け […] 共有:TwitterFacebook
2023年8月20日 / 最終更新日時 : 2023年8月20日 okihon-ya 本の紹介 惜しまれる伝統的な街並み 柳宗悦著『琉球の富』② 本書の14ページに、日本の城下町では「どの町が最も美しいか」と問われれば、ためらわずすぐに「沖縄の首里が第一」と答えると書いている。それは、83ページから94ペースに掲載される戦前の首里の写真を見れば、リップサービスで […] 共有:TwitterFacebook
2023年8月13日 / 最終更新日時 : 2023年8月13日 okihon-ya 本の紹介 三つの異界をどう評価? 高山羽根子著『首里の馬』 本書は、沖縄で暮らす主人公・未名子が「郷土資料館」「クイズ」「宮古馬」という三つの世界にかかわる物語である。それぞれが、奇妙な世界であり、幻想と現実の境界線にきわどく横たわる。著者はそれぞれの世界の細部を描き、その質感 […] 共有:TwitterFacebook