池宮正治『沖縄の遊行芸 チョンダラーとニンブチャー』

 琉球王国の首都・首里の郊外に戦前まで住んでいた一団の人々、ニンブチャーやチョンダラーが受け継いだ芸能についてまとめている。ニンブチャーとは葬儀で鉦をたたいたり念仏を唱えたりして死者を弔う者であり、チョンダラーは正月などのお祝いに人形芝居のほか、万才系の芸能(掛け合いの話芸であり、漫才のもとになったといわれる)を演じた者。彼らが口にした歌詞やその訳詞をはじめ芸の詳細を解説している。彼らの芸能は庶民生活の喜怒哀楽に深くかかわるとともに、沖縄を代表する芸能であるエイサーの源流ともいわれるが、日常的には貧しく賤しめられていたとされ、華やかさだけでは語りつくせない芸能史の奥深い一面を感じさせる。(T)

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