『聞き書き 沖縄の食事』

 食事は庶民が受け継いできた最も重要な文化。本書からはそんな意気込みが感じられる。タイトルからも分かるように、沖縄のグルメツアー指南書ではない。地域の人々が日常的に口にする食について、写真をふんだんに使いながら、やんばる、本島中部、那覇、糸満、宮古、八重山、与那国と地域を区切り紹介している。旬で安く手に入る食材を使った料理が食卓にのぼるため、季節ごとに食の彩りも変わる。1年の節目ごとに用意される行事食、冠婚葬祭などハレの日の食事や、体調の変化に応じて用意する滋養食や薬膳料理にも触れている。食によって自然の恵みや季節の移り変わりを実感し、生活のリズムや人生の意味づけを体に刻む(T)

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