明治百年でみえる日本化の混乱
新里金福・大城立裕著『近代沖縄の歩み 沖縄の百年1』は、明治100年を記念して琉球新報に掲載された連載記事を加筆・補稿してまとめられた。沖縄にとっての近代100年は、まさに紆余曲折の連蔵だった。
1879年、沖縄は琉球王国が解体され日本の一部になったが、すんなり日本化されたわけではない。長年、政治、経済、文化あらゆる面で、中国と深い関係が続いたことから、日本化を拒む勢力も根強かった。日本政府も沖縄を固有の領土と考えたかどうか怪しい面もあった。翌1980年には、中国における商業活動の権益と引き換えに、宮古・八重山諸島を中国に譲り渡す案に合意し、調印寸前のとこにまで至っていた。
明治期以降、日本化が進むが、沖縄人としてのアイデンティティを模索する動きが出る一方、大正末期から昭和初期にかけて「ソテツ地獄」(ソテツの実や茎しか食べ物がない恐慌状態)に陥る。1945年の沖縄戦では、沖縄本島を中心に「鉄の暴風雨」と呼ばれた米軍の激しい攻撃に見舞われ、県民の4人に1人が命を失う。その後も27年間、異民族支配が続き、島全体が米軍の基地に変貌する。
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