那覇ではセミの鳴き始め

 ここ数日、那覇市の新都心公園周辺ではセミの鳴き声を聞くようになった。例年とは違う鳴き方のような気がする。例年ならば、いったん泣き始めたら、大合唱の鳴き声であり、ほとんど途切れることなく、これでもかこれでもかと浴びせかけるように声が続く。ところが、ことしは散発的に聞こえるだけで、しかも一つひとつの鳴き声も短く区切るように発する。ただ、毎年、それほど注意深く観察している訳ではなく、もしかしたら例年も今年とさして変わらないかもしれない。

 かつては沖縄には数十種類の風の呼び名があったといわれる。現在のような天気情報がなかった時代は、自分の目や耳、肌で気象の変化を読み取り、作物の植え付けや出漁の時期などを判断していた。気象の変化を読み間違えれば、大きな損失を被り、場合によっては命さえ落としかねない。敏感にならざるを得なかっただろう。

 とはいっても、セミの鳴き声はともかく、自然の移ろいに鈍感になった自分のような現代人にとっても、昨今の天候が大きく変わりつつあることは分かる。台風2号が沖縄に襲来した時は、沖縄よりも本土の各地が激しい豪雨に見舞われ、台風3号が沖縄の南海上を通り過ぎてから連日の雨となっている。(T)

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