今のSDGsで間に合うのか 斎藤幸平『人新世の「資本論」』②

 沖縄の夏、例年に比べ違っている気がしてならない。例年ならば、木陰に入れば真夏でも心地よいが、今年はそうした感覚がない。木陰に入っても風が吹いても湿気がまとわりつくように思える。気候の歯車が大きく狂い始めたことは、奄美諸島や本土の方がもっと顕著だろう。毎週のようにどこかで災害級の大雨が降り、ようやく止めば真夏日、猛暑日に襲われる。

 近年、テレビや新聞ではSDGs特集を続けているが、その内容といえば、省エネや省資源を「身近でできる範囲で」と呼びかけるが、それによって現在の温暖化に歯止めがかかるのだろうか。単に今のSDGsは手軽に始められるが、精神安定剤にすぎず、現実には一段と温暖化が進んでいることは多くの人々が薄々感じているはずだ。本書が指摘するように、現在の生活を根本的に変えるしかない。メディアももっとこの点に焦点を当てるべきだろう。(T)

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