誰が普天間基地を存続させた? 川名晋史著『在日米軍基地』③

 3月23日の投稿に続いて、国連軍以外の論点として触れたのは米軍普天間基地の存続と機能強化である。国防総省によるベトナム戦争後の基地再編計画では、沖縄海兵隊は不要とされ普天間基地も閉鎖される予定だった。この沖縄海兵隊不要論はほかの研究者からも指摘され、冷戦終結後の1990年代にまとめられた戦略再検討案でも計画されたとする米軍関係者の証言もある。

 ベトナム戦争後の不要論が覆されたのは、本書によれば米軍内部の強い反発だったという。本書とは別に、沖縄海兵隊の撤退による抑止力の低下を恐れた日本政府が反対したとする証言もある。軍の配備は1つの要因だけでは決まらない場合があるが、結局、1970年代、「関東計画」によって関東地域の米軍基地は整理統合される一方、普天間基地の機能は強化され、現在のように米軍基地が沖縄に集中する原形が生まれたのである。いずれにせよ、軍内部の関係者や資料から、たびたび沖縄海兵隊の不要・撤退論が出るということは、軍事的に本当に普天間基地が必要か、辺野古が「普天間の唯一の解決策」か疑問符が伴うだろう。(T)

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