やばんるの自然を守れるか

 今年7月、沖縄本島北部「やんばる」が世界自然遺産に登録されたが、やんばる地域の知名度アップが期待される一方、豊かな自然を本当に守っていけるかどうか不安は残る。その大きな要因は米軍基地だ。もともと北部訓練場という広大な米軍施設が存在する。これまでにも米軍関連施設から大量の有害物質や土壌・水質汚染が確認され、環境への配慮はほとんど望めない。政府や警察は米軍の動きを支援するか黙認する姿勢が目立つ。

 やんばる地域でチョウ類の研究に携わる宮城秋乃さんは、日本側に返還された北部訓練場跡地からこれまでに3700発の弾薬類を見つけている。宮城さんは抗議の意味を込めて米軍廃棄物を訓練場入り口前に置いたが、県警はこれが威力業務妨害の疑いがあるとして今年6月、宮城さんの自宅を家宅捜索しタブレット端末やパソコンを押収したという。さらに、やんばる地域の名護市辺野古に巨大な普天間飛行場を移設する計画が進められており、貴重な自然が脅かされる危険性が高まる。

※沖縄探見社では、「やんばる」を含めた沖縄の自然について紹介・分析した『データで読む沖縄の自然環境』を発刊しています。詳しい内容は「沖縄探見社の本」コーナーをご覧ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です