2023年4月2日 / 最終更新日時 : 2023年4月2日 okihon-ya 本の紹介 「地方は素朴」という幻想に潜む罠 岡本太郎著『日本再発見 芸術風土記』① 本書では、芸術家・岡本太郎が自分で定めたテーマを抱えて日本の地方を訪れ、体ごとテーマにぶつかり答え探しに挑む。最初の訪問地・秋田では、「地方は素朴」という固定観念に厳しい批判を加える。太郎によれば、「地方は素朴」という […] 共有:TwitterFacebook
2023年3月19日 / 最終更新日時 : 2023年3月19日 okihon-ya 本の紹介 視点の多様性に向き合う根気強さ 仲里効・高良倉吉著『対論 「沖縄問題」とは何か』 本書は、対極的な思想を持つ沖縄の論客、仲里効氏と高良倉吉氏が30のテーマについてそれぞれ綴った文章に加え、2人の直接対談を掲載している。高良氏は、日本という国家の枠組みの中で沖縄を現実的にどう変えるべきか問うのに対して […] 共有:TwitterFacebook
2023年3月15日 / 最終更新日時 : 2023年3月15日 okihon-ya 本の紹介 現在の墓文化は近世からか 梅原猛・中西進編『霊魂をめぐる日本の深層』 沖縄からは複数の専門家が寄稿や討論に参加しているが、意見が割れているところは意外である。表題から察せられるように、霊魂や神という壮大なテーマを扱うせいで、各研究者の対象地域や判断基準によって解釈が異なるようにみえる。例 […] 共有:TwitterFacebook
2023年3月11日 / 最終更新日時 : 2023年3月11日 okihon-ya 本の紹介 例外的な存在としての国体と米国 古関彰一著『対米従属の構造』 創設まもない時期、自衛隊の指揮権を米軍が持つとする指揮権密約にはじまり、朝鮮半島の有事密約、安保改正での核密約、沖縄返還をめぐる核密約、さらには日米ガイドラインなどを経て、日本は安全保障面で従属化を深める戦後史を検証し […] 共有:TwitterFacebook
2023年3月10日 / 最終更新日時 : 2023年3月10日 okihon-ya 本の紹介 失敗しない人生の先にある大きな失敗 辻村深月著『傲慢と善良』② 本書の巻末で朝井リョウ氏がまとめた「解説」が興味深い。特に「謙虚と自己愛の強さが両立する」と語る点だ。自分なりに勝手に解釈させてもらうと、表題の「傲慢と善良」もそうだが、「謙虚」と「強い自己愛」という正反対に見える2つ […] 共有:TwitterFacebook
2023年3月5日 / 最終更新日時 : 2023年3月5日 okihon-ya 本の紹介 メディアにも必要な時代の検証 鳩山由紀夫、孫崎亨、植草一秀著『「対米従属」という宿痾』 民主党による2009年の政権交代までと後では政治の空気ががらりと変わった。現在でも民主党の政策や政権運営の拙さを指摘する政治家やメディアは少なくない。いずれにせよ、政権交代の失敗が野党に対する幻滅や不信を定着させたとす […] 共有:TwitterFacebook
2023年3月2日 / 最終更新日時 : 2023年3月2日 okihon-ya 本の紹介 嘘に逃げ場を求める現代の生きづらさ 辻村深月著『傲慢と善良』 2月25日の投稿で紹介した平野啓一郎著『ある男』と本書の間に重要な共通点があった。2つの物語は、嘘を土台にして男女が結ばれるところから始まる。特に意識して2冊を選んだわけではないが、何となく手に取って並行して読んでいる […] 共有:TwitterFacebook
2023年2月27日 / 最終更新日時 : 2023年2月27日 okihon-ya 本の紹介 本土と沖縄で溝は深さを増す? 藤原書店編集部編『「沖縄問題」とは何か』 普天間基地の県外移設を公約に民主党政権が誕生して間もない2010年に発行された季刊『環』の特集「『沖縄問題』とは何か」を、単行本化したのが本書である。あの頃は全国的に沖縄の米軍基地への関心が高まり、本書に寄せられた文書 […] 共有:TwitterFacebook
2023年2月25日 / 最終更新日時 : 2023年2月25日 okihon-ya 本の紹介 変身願望と猜疑心に満ちた日本の行方 平野啓一郎著『ある男』 本書の物語は人物が入れ替わった事件の発覚から始まる。もし、これが現実に起きれば、たいていの人は「騙された」と思うだろう。ところが、別人になりきっていたという極端な例でなくても、本来の性格や気質とは別の人間を演じているこ […] 共有:TwitterFacebook
2023年2月18日 / 最終更新日時 : 2023年2月18日 okihon-ya 本の紹介 民主国家の中の非民主的組織という矛盾 吉本秀子著『米国の沖縄占領と情報政策』 最近、国内では軍備の拡大を訴える声ばかりが響き渡る。近隣諸国の安全保障状況を見渡せば、仕方ないかもと思うものの、沖縄の米軍基地をめぐる歴史を振り返ると、無条件で軍隊の力を増強させることには不安も伴う。軍隊組織は基本的に […] 共有:TwitterFacebook