沖縄戦関連記事の連載開始

 沖縄の地元紙では昨日(3月22日)から沖縄戦にまつわる連載記事が始まった。ちょうど80年前の1944年3月22日、旧日本軍は南西諸島を防衛するため、沖縄戦の主力となる第32軍を創設した。さらに、1年後の1945年3月26日には米軍が座間味の島々に上陸して沖縄戦の火蓋が切られ、4月1日には本島に上陸し戦闘が本格化するなど、沖縄戦にとってはこれから節目の日が続く。近年は南西諸島における自衛隊配備が進むなど第32軍の創設・強化と重なる部分は小さくなく、平和と戦争の問題を考える重要な機会であろう。写真は首里城周辺に残る第32軍司令部壕関連の遺構である。

  全国メディア、特にテレビでは年々、「戦争もの」の影は薄くなっているが、中国やロシア、北朝鮮をめぐっては国際的な緊張は高まるばかりで、戦争のきな臭さは増している。一方、ネットメディアが活発な今の時代、「日本をどう守るか」は「弱腰」「中国寄り」など非難や中傷を呼びやすく扱いづらいのかもしれない。そのせいもあって、戦争と真正面から向き合うことを避けている気がしてならない。

 従来の「戦争もの」を繰り返すだけでなく、新しい視点から戦争を考える材料が必要であることは疑いない。アカデミー賞を獲得して話題の「ゴジラ -1.0」は太平洋戦争の末期から終戦直後の時代を舞台にしながらも、そのままの史実を描いたのでは注目を集めにくいから、ゴジラという破壊神を降臨させドラマに新しい血を与えたのだろう。(T)

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