2024年1月14日 / 最終更新日時 : 2024年1月14日 okihon-ya 本の紹介 新たな神を求める時代とは 宇佐美りん著『推し、燃ゆ』 タイトルを見ただけで拒否反応を覚えるオジさん世代は少なくないかもしれない。「推し」とはアイドルグループの中で自分が一番応援するメンバーを指すらしい。オジサンたちが若かった時代からアイドルが存在したが、本書を読むかぎり近 […] 共有:TwitterFacebook
2023年12月31日 / 最終更新日時 : 2023年12月31日 okihon-ya 本の紹介 江戸と明治、どちらが自由か 渡辺京二著『幻影の明治』 11月22日に投稿した『近代の呪い』と合わせて読むと、著者が明治という時代をどう捉えているかが分かる気がする。それによれば、日本は江戸末期まで独自の政治・経済体制が成熟し、庶民も武士も一定の自由や民主主義を育て暮らして […] 共有:TwitterFacebook
2023年12月30日 / 最終更新日時 : 2023年12月30日 okihon-ya 本の紹介 どうしようもない自意識の氾濫 西村賢太著『苦役列車』 オレはかけがえない人間である。こういう自意識が現代社会の根っこにあることは間違いあるまい。一人ひとりが努力して自分の特性を磨き、社会に向かって意志表示し現代社会が築かれた。一方で、自分とは何か意識するためには他人と自分 […] 共有:TwitterFacebook
2023年12月23日 / 最終更新日時 : 2023年12月23日 okihon-ya 本の紹介 なぜ議論はかみ合わないか マイケル・サンデル著『実力も運のうち 能力主義は正義か?』③ 近年、アメリカ社会の重大な課題としてトランプ人気に象徴されるように、国民の分断がよく取り上げられるが、本書も第4章「学歴偏重主義」でこれに触れている。気候変動を例にとり、オバマ氏は大統領時代、科学的な知識の普及が国民の […] 共有:TwitterFacebook
2023年12月16日 / 最終更新日時 : 2023年12月16日 okihon-ya 本の紹介 アイヌと琉球人の共通点は 加藤博文・若園雄志郎編『いま学ぶアイヌ民族の歴史』 小学校から中学校にかけて習った日本史では、最初、日本全土には縄文人が入り込み、その後、近畿地方など中央部へ弥生人が大陸から渡り弥生文化が広まったと思う。この中ではアイヌや琉球人の成り立ちに触れる記述はなかった。しかし、 […] 共有:TwitterFacebook
2023年12月9日 / 最終更新日時 : 2023年12月9日 okihon-ya 本の紹介 アイヌと琉球人の分岐点は 瀬川拓郎著『アイヌ学入門』 本書はアイヌの文化や歴史について解説しているが、その中で一番興味深いのは文化とは固定されたものでなく、周辺文化と交流するうちに絶えず変化することだ。例えば、アイヌといえばクマ祭りが有名だが、周辺地域との交易に伴ってイノ […] 共有:TwitterFacebook
2023年12月2日 / 最終更新日時 : 2023年12月2日 okihon-ya 本の紹介 ユタ誕生に降りかかる過酷な試練 谷川健一著『神に追われて 沖縄の憑依民俗学』① 沖縄では、悩みや苦しみを抱える人々から相談を受け、神の声を助言として伝える人を「ユタ」と呼び、現在でもそれなりの数の人がユタとしての活動をしていると聞いたことはあるが、どのようにしてユタが誕生するか具体的な例はまったく […] 共有:TwitterFacebook
2023年11月25日 / 最終更新日時 : 2023年11月25日 okihon-ya 本の紹介 日本から見えにくい米国の内側 マイケル・サンデル著『実力も運のうち 能力主義は正義か?』② バラク・オバマ氏といえば、黒人初の米国大統領であり、核兵器廃絶の演説をしてノーベル平和賞を受賞し、医療保険制度の改革に取り組み、現役の大統領として初めて被爆地・広島を訪問するなど、日本国内ではリベラル・平和主義として評 […] 共有:TwitterFacebook
2023年11月22日 / 最終更新日時 : 2023年11月22日 okihon-ya 本の紹介 国家による国民統合と経済成長の加速 渡辺京二著『近代の呪い』① 著者は『逝きし世の面影』で、明治維新前後に来日した外国人の目を通して当時の日本人を浮かび上がらせたが、「几帳面」「上下関係に厳しい」「内気」など従来のイメージとは異なる日本人がかつては存在したことを教えてくれた。現在の […] 共有:TwitterFacebook
2023年10月28日 / 最終更新日時 : 2023年10月28日 okihon-ya 本の紹介 感情を極力抑えた筆致に感じる別世界 サン=テグジュペリ『夜間飛行』 沖縄に関連した書籍やイマドキの流行り本を手にとることが多いが、たまに毛色の違う本にも当たってみたくなる時がある。なんとなく本屋で見つけて手にとったのが本書である。著者には「星の王子様」のイメージがあった。 ロマンティ […] 共有:TwitterFacebook