2023年12月23日 / 最終更新日時 : 2023年12月23日 okihon-ya 本の紹介 なぜ議論はかみ合わないか マイケル・サンデル著『実力も運のうち 能力主義は正義か?』③ 近年、アメリカ社会の重大な課題としてトランプ人気に象徴されるように、国民の分断がよく取り上げられるが、本書も第4章「学歴偏重主義」でこれに触れている。気候変動を例にとり、オバマ氏は大統領時代、科学的な知識の普及が国民の […] 共有:TwitterFacebook
2023年12月16日 / 最終更新日時 : 2023年12月16日 okihon-ya 本の紹介 アイヌと琉球人の共通点は 加藤博文・若園雄志郎編『いま学ぶアイヌ民族の歴史』 小学校から中学校にかけて習った日本史では、最初、日本全土には縄文人が入り込み、その後、近畿地方など中央部へ弥生人が大陸から渡り弥生文化が広まったと思う。この中ではアイヌや琉球人の成り立ちに触れる記述はなかった。しかし、 […] 共有:TwitterFacebook
2023年12月9日 / 最終更新日時 : 2023年12月9日 okihon-ya 本の紹介 アイヌと琉球人の分岐点は 瀬川拓郎著『アイヌ学入門』 本書はアイヌの文化や歴史について解説しているが、その中で一番興味深いのは文化とは固定されたものでなく、周辺文化と交流するうちに絶えず変化することだ。例えば、アイヌといえばクマ祭りが有名だが、周辺地域との交易に伴ってイノ […] 共有:TwitterFacebook
2023年12月2日 / 最終更新日時 : 2023年12月2日 okihon-ya 本の紹介 ユタ誕生に降りかかる過酷な試練 谷川健一著『神に追われて 沖縄の憑依民俗学』① 沖縄では、悩みや苦しみを抱える人々から相談を受け、神の声を助言として伝える人を「ユタ」と呼び、現在でもそれなりの数の人がユタとしての活動をしていると聞いたことはあるが、どのようにしてユタが誕生するか具体的な例はまったく […] 共有:TwitterFacebook
2023年11月25日 / 最終更新日時 : 2023年11月25日 okihon-ya 本の紹介 日本から見えにくい米国の内側 マイケル・サンデル著『実力も運のうち 能力主義は正義か?』② バラク・オバマ氏といえば、黒人初の米国大統領であり、核兵器廃絶の演説をしてノーベル平和賞を受賞し、医療保険制度の改革に取り組み、現役の大統領として初めて被爆地・広島を訪問するなど、日本国内ではリベラル・平和主義として評 […] 共有:TwitterFacebook
2023年11月22日 / 最終更新日時 : 2023年11月22日 okihon-ya 本の紹介 国家による国民統合と経済成長の加速 渡辺京二著『近代の呪い』① 著者は『逝きし世の面影』で、明治維新前後に来日した外国人の目を通して当時の日本人を浮かび上がらせたが、「几帳面」「上下関係に厳しい」「内気」など従来のイメージとは異なる日本人がかつては存在したことを教えてくれた。現在の […] 共有:TwitterFacebook
2023年10月28日 / 最終更新日時 : 2023年10月28日 okihon-ya 本の紹介 感情を極力抑えた筆致に感じる別世界 サン=テグジュペリ『夜間飛行』 沖縄に関連した書籍やイマドキの流行り本を手にとることが多いが、たまに毛色の違う本にも当たってみたくなる時がある。なんとなく本屋で見つけて手にとったのが本書である。著者には「星の王子様」のイメージがあった。 ロマンティ […] 共有:TwitterFacebook
2023年10月21日 / 最終更新日時 : 2023年10月21日 okihon-ya 本の紹介 何が青年を死へと駆り立てるか 『中屋幸吉遺稿集 名前よ立って歩け』 エネルギーと可能性に溢れた10代の方が、今より「死」を意識することが多かった。可能性に溢れるということは何物でもないことであり、不安と拠りどころのなさが体に充満していた。しかも、純粋さや論理的な整合性を何よりも気にして […] 共有:TwitterFacebook
2023年10月16日 / 最終更新日時 : 2023年10月16日 okihon-ya 本の紹介 沖縄的やさしさの危機 大田昌秀著『沖縄人とは何か』 本書は、著者が1970年代前半にハワイの沖縄人(系)を対象に実施した意識調査をもとに、アイデンティティーに関する考えをまとめたもの。出版された1980年は、沖縄がまだ本土復帰してまもなく、さまざまな面から「沖縄(人)と […] 共有:TwitterFacebook
2023年10月14日 / 最終更新日時 : 2023年10月14日 okihon-ya 本の紹介 沖縄の食に込めた思いと手間をさらりと 池澤夏樹・文/垂見健吾・写真『神々の食』 著者はあとがきで「沖縄は格別にうまいものが獲れるところだというつもりはなかった」と語る。まったく同感である。テレビ番組や雑誌記事で観光地を紹介する場合、グルメに触れないわけにはいかない。視聴者や読者の期待値を上げないと […] 共有:TwitterFacebook